研究課題/領域番号 |
12575034
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
山内 徹 三重大学, 医学部, 教授 (80045674)
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研究分担者 |
丸山 一男 三重大学, 医学部, 教授 (20181828)
朴 豊源 三重大学, 医学部, 講師 (50283528)
石川 仁 三重大学, 医学部, 助教授 (50250915)
松本 寛 北海道環境科学研究センター, 主任研究員
田 英 三重大学, 医学部, 助手 (70335115)
塚田 進 三重県科学技術振興センター, 保険環境研究部, 主幹研究員
荒木 恵一 三重県科学技術振興センター, 保健環境研究所, 主幹研究員
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2002年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2001年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2000年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | 変異原活性 / 多環芳香族炭化水素 / 呼吸器症状 / 呼吸機能 / 小核頻度 / 大気 / DNA多型 / 遺伝毒性 / 発癌性 / がん死亡率 / 環境保健疫学調査 / 中国瀋陽市工業地区 / 大気汚染 / 大気中変異原活性 / 変異原性物質 / 小核試験 / 薬物代謝酵素の遺伝子多型 / 肺癌死亡率 / 呼吸器検査所見 / 肺癌家族歴 / 異常妊娠既往歴 |
研究概要 |
中国・瀋陽市において2000年から2002年の3年間、大気中の変異原活性が住民の健康に及ぼす影響について大気汚染の深刻な工業地区の鉄西区と対照地区の同市近郊農村部の東陵区との比較で検討した。1)上記2地区と幹線道路交差点、市内住宅地区の4地点で毎月5日間大気を採取した。大気中の浮遊粉塵は121から1223ug/m^3、多環芳香族炭化水素9種類の総濃度は10から906ng/m^3に、またAmes testによる変異原活性はTA98(-S9)下で13-126rev./m^3、同(+S9)下で26-356rev./m^3、TA100(-S9)下で21-345rev./m^3、同(+S9)下で42-573rev./m^3といずれも広範囲に分布していた。これらはいずれも季節的には冬期に、地域では工業地区で最も高値を示した。2)浮遊粉塵中の13種類の重金属濃度を追跡したところ、工業地区、幹線道路交差点の順に高く冬期に最も高値を示した。発がんと関連があるAs,CrおよびNiそれぞれ57.4,206および69.5ng/m^3と極めて高い値を示した。3)2つの地区住民の呼吸器系自症状調査の結果、慢性閉塞性肺疾患の症状の訴え率が工業地区で有意に高率に見られ、また呼吸機能査でも、抹消気道の閉塞性を示す1秒率やV25、V25/Htが工業地区で有意に低値を示した。また、問診調査では、両親に肺がん家族歴ありの割合と、既婚女性の流死産既往率のいずれも工業地区において高率であった。4)大気中変異原に対する住民の応答を、末梢血リンパ球の小核頻度と大気汚染物質関連薬物代謝酵素のDNA多型で検討した。いくつかの交絡因子を調整した後の多変量解析の結果は工業地住民により高い遺伝毒性応答が見られ、それは大気中変異原活性と相関していた。5)1996年から2000年の年齢調整がん死亡率は、全がんでも肺がんも1996年は工業地区が農村地区より高率であったが、工業地区の死亡率が年々低下傾向を、農村地区では上昇傾向が見られ、2000年には地区間の差が見られなくなった。
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