研究課題/領域番号 |
12576011
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
小林 宣道 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80186759)
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研究分担者 |
谷口 孝喜 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40094213)
石埜 正穂 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30232325)
小島 和暢 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20264517)
實方 剛 鳥取大学, 農学部, 助教授 (20205991)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2002年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2000年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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キーワード | ロタウイルス / B群 / 成人 / 下痢症 / インド / バングラデシュ / 中国 / CAL-1 / バングラディシュ |
研究概要 |
本研究の期間中にB群ロタウイルスが見つかったのはインド、バングラデシュ、中国の3カ国であり、いずれも成人下痢症散発例において検出された。中国で検出されたB群ロタウイルス(Wh683)は2002年9月に湖北省武漢市の病院にて得られたものであり、1982年中国において世界で初めて見つかった本ウイルスのプロトタイプであるADRV株と比較すると、遺伝子配列の一致率は98-99%ときわめて高く、中国国内におけるB群ロタウイルスはきわめて保存性が高いことが示唆された。一方インド、バングラデシュで検出されたB群ロタウイルス各々CAL1,Bang373は互いに遺伝子学的にきわめて近縁であった(一致率98-99%)が、ADRVとは一致率が91-92%とやや距離が離れていた。CAL1,Bang373とADRVおよびWh683との遺伝子配列の多様性は、解析の結果少なくとも数十年(あるいは100年以上)の時間を経て生み出されたであろうと推定された。したがって、インド、バングラデシュにおけるB群ロタウイルスは、中国に分布していたウイルスが最近持ち込まれたものではなく、インド東部からバングラデシュの地域(ベンガル湾周辺地域)に元々エンデミックに存在していたものであることが示唆された。一方、本研究ではA群ロタウイルスについても新知見が得られている。それは従来きわめて珍しい血清型でありフィリピンでしか報告の無かったG12型ウイルスがタイおよびインドにおいて見つかったことである。このことはG12型ヒトロタウイルスがアジアにおいて広く分布していることを示しており、今後更なる疫学的調査が必要であることを示唆した。
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