研究分担者 |
小竹 聡 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (00186694)
小野江 和則 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (40002117)
猪子 英俊 東海大学, 医学部, 教授 (10101932)
水木 信久 横浜市立大学, 医学部, 教授 (90336579)
陳 進輝 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (90236844)
笹本 洋一 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (40241327)
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配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2002年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2000年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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研究概要 |
ベーチェット病は多くの異なる人種間において,ヒト白血球抗原(HLA-B51)と強く関連していることが報告されている.ギリシャのべ病患者のHLA-B51アリル型はギリシャ人におけるB*5101からB*5107アリルの分布の検討から同定した.その結果,ギリシャ人では,ベーチェット病に深く関係しているB51抗原は大部分がB*5101であった.B51抗原がB*5101からB*5121の21アリルによってエンコードされているか不明であるため,次に我々はギリシャ人ベーチェット病患者58人を対象にHLA-B*51アリルのゲノムタイピングを行った.血液中のHLAタイピング後,HLA-B*51アリルのタイピングはPolymerase chain reaction-sequencing-based typing法(PCR-SBT法)によって行った.B51抗原の頻度は健常者と比べてベーチェット病患者で有意に高かった.B51アリルのゲノムタイピングの結果,B51陽性患者44人中34人がB*5101,13人がB*5108であった.一方,B51陽性健常者9人全てB*5101であった.この研究によって,ギリシャ人のべ病患者はB*5101とB*5108に強く関係していることを明らかにした. HLA-B*5101とHLA-B*5108はイタリア人とサウジアラビア人におけるベーチェット病患者でも増加していることがわかった.我々は日本人でのべ病患者でのB51と関係深いアリルを検討するために,PCR-SBT法によりHLA-B*51アリルのゲノムタイピングをおこなった.対象は96人日本人ベーチェット病患者と132人の健常者とした.その結果,B51抗原の表現型の頻度は健常者と比較して患者群の方が著しく頻度が高かった.B*51アリルゲノムタイピングの結果,B51陽性ベーチェット病患者57人中56人はB*5101であり,残り1人はB*5102であった.一方,B51陽性健常者18人全てB*5101であった.日本人では患者を含めHLA-B*5108アリルではなかった.この研究では日本人のべ病患者とイタリア人,サウジアラビア人のべ病患者でのB*51アリルの分布が異なることを明らかにし,さらに日本人のBD患者のHLA-B51抗原の高い保持率は健常人と比べて著しく高く、そのほとんどがHLA-B ^*5101アリルによって生じることがわかった。
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