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西洋思想における人間知性論の起源に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12610007
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 哲学
研究機関広島大学

研究代表者

水田 英實  広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70108257)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
キーワード人間知性 / 中世キリスト教思想 / 能動知性内在説 / 分離実体 / 知的実体 / 宗教多元論 / 脳科学 / トマス・アクィナス
研究概要

西洋思想における知性の問題は、古代ギリシアのヌース論から近代西欧の知性論に移行し、知性=神的知性という等式に代わって知性=人間知性という等式が成立するにいたって、人間知性を主題とする知性論として展開される。この過程で決定的な役割を果たすのはキリスト教思想である。本研究では、いうところの「人間知性」の起源に関する諸問題を、中世キリスト教思想における知性論、特に人間知性に関するトマス・アクィナスの所論の研究を通して解明するために、平成12年度から13年度にかけて、(1)アウグスティヌス以来の伝統的なキリスト教思想において「心とからだ」の関係の仕方について、アウグスティヌス『神の国』における危機意識の重層性をはじめとして、キリスト教独自の価値観にもとづく理解がなされていることを、キリスト教思想家集(CETEDOC Library of Christian Latin Texts on CD-ROM)を用いて確認し、「アウグスティヌス『神の国』にみる危機認識」と題して、身体の危機よりむしろ信仰の危機を重視する価値観について論じるとともに、(2)十字軍運動を通して、異質のキリスト教理解が現出し、中世キリスト教思想における人間知性論が見失われることになった点に着目し、「十字軍のもたらしたもの」と題して発表した。上記の二点に加えて、さらに、(3)特にトマス・アクィナスの天使論に着目し、それを至福をもたらす神認識に関する議論(能動知性の離在説)として取り上げるとともに、分離実体に関する独自のアリストテレス解釈の中で、人間知性論の起源と目される議論(能動知性の内在説)が展開されていることを明らかにする一方、(4)ヨーロッパ中世を多元論的に理解する手掛かりを見出し、宗教多元論の成立可能性について考察した。これにより、(5)昨今の脳科学に対するアルゴリズムの提供という課題を視野に入れるために心身の二元論的理解についてさらに研究を進める見通しを得た。

報告書

(3件)
  • 2001 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] 水田英実: "「トマス天使論序説 -知るものとしての知性-」"シンポジオン. 46. 1-14 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 水田英実: "「アウグスティヌス『神の国』にみる危機認識」"山代宏道編著『危機をめぐる歴史学』刀水書房. (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 水田英実: "「中世ヨーロッパの多元的理解は可能か-宗教多元論の成立可能性-」"原野昇・水田英実・山代宏道・地村彰之・四反田想著 『中世ヨーロッパ文化における多元性』渓水社. (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 水田英実(共著): "『中世ヨーロッパ文化に見る異文化接触』"渓水社. 222 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] MIZUTA, Hidemi: "Introduction to the Thomistic Angelology"SYMPOSION. No. 46. 1-14 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] MIZUTA, Hidemi: "Consciousness of Crisis in Augustine's De Civitate Dei"YAMASHIRO Hiromichi et al. ed., Historical Studies of Crisis (Tohsui-shoboh). (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] MIZUTA, Hidemi: "Possibility of Religious Pluralism in Medieval European Culture"HARANO Noboru, MIZUTA Hidemi, YAMASHIRO Hiromichi, JIMURA Akiyuki, SHITANDA So, Pluralism in Medieval European Culture (Keisuisha). (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] HARANO Noboru, MIZUTA Hidemi, YAMASHIRO Hiromichi, JIMURA Akiyuki, SHITANDA So: "Multi-Cultural Contacts in Medieval Europe"Keisuisha. 222 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 水田英実: "トマス天使論序説-知るものとしての知性-"シンポジオン. 46号. 52-71 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 水田英実: "アウグスティヌス『神の国』にみる危機認識"山代宏道編著『危機をめぐる歴史学』刀水書房. (発行予定). (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 水田英実(共著): "中世ヨーロッパ文化における多元性"渓水社(発行予定). 250 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 水田英実(分担執筆) ほか: "中世ヨーロッパに見る異文化接触"渓水社. 222 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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