研究課題/領域番号 |
12610011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
加藤 泰史 南山大学, 外国語学部, 教授 (90183780)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 相互承認 / 相互人格性 / 良心 / カント哲学 / 環境倫理学 / 認知心理学 / 相互人格性理論 / 相互主観性理論 / Offentlichkeit(公共性) / 和辻哲郎 / ディアローグ的教育学 / 私講義 / 公講義 / 市民 / 市民社会 / Ubertragungstheoric / 素朴心理学 / 情感的承認 |
研究概要 |
本研究では、初期フィヒテの「相互人格性理論」の構造分析を起点としながら、「相互承認論」が現代哲学においていかなる意味を持ち、またいかなる問題を孕んでいるのかを以下のように明らかにした。 1、フィヒテの「相互人格性理論」は『自然法の基礎』において確立され、「相互承認」の問題は法・制度・国家などのそれと密接に関連づけられて論じられている。こうした観点からすると、「相互承認論」の原型はスピノザ哲学に求めることができる。その意味では「相互承認論」を「社会契約論」との関係において問題にする必要がある。 2、現代哲学においては、「相互承認」の問題は英米の認知心理学において「模擬説」と「理論説」との間の論争において問題になっている。この場合、「模擬説」はカントのUbertragungstheorieを援用しているが、それは基本的にカントの意図を見誤っていると言える。 3、ドイツの環境倫理学においては、「相互承認」の問題は「自然の情感的承認」のそれとして重要な議論を提供しつつある。 4、しかしながら、「相互承認」の可能性を根本的に考察すると、その核心には「良心」の問題が伏在していることが明らかになった。その意味でカント哲学のさらなる分析が重要となる。
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