研究課題/領域番号 |
12610037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
倫理学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
浜渦 辰二 静岡大学, 人文学部, 教授 (70218527)
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研究分担者 |
山崎 純 (松田 純) 静岡大学, 人文学部, 教授 (30125679)
矢吹 和美 東洋英和女学院大学, 教授 (70099943)
山下 秀智 静岡大学, 人文学部, 教授 (70109122)
田中 伸司 静岡大学, 人文学部, 助教授 (50207099)
上利 博規 静岡大学, 人文学部, 教授 (20222523)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | いのち / こころ / 医療技術 / 生命倫理 / 精神医療 / 臨床心理 / 芸術活動 / 宗教意識 |
研究概要 |
いのちとこころに関わる現代の諸問題に関わる臨床人間学に取り組むのが私たちの目標であるが、今回の補助金によって課題としたのは、なかでも、そのための方法論を具体的場面のなかから構築することであった。そこで、医療技術と生命倫理、精神医療と臨床心理、宗教意識と芸術活動という三つの場面を採り上げ、研究分担者を三つのグループに分けてそれぞれに取り組んだうえで、お互いの成果をつき合わせて意見交流を図り、それらを全体へと統合させていく、という方法をとった。研究成果として、山崎(松田)(1年目は研究代表者であったが、海外研修の機会をえたため、2年目は研究協力者となった)はドイツの生命倫理学の最先端の議論を現場からまとめ、田中は私たちの計画に近い先行研究である臨床哲学と臨床倫理学についての批判的考察のなかから臨床人間学の方法を「対話」へと導き、矢吹は臨床心理の場での聴くことの意味を考察し、浜渦は精神科医との長年の共同作業をもとに対話とケアのあり方を研究協力者の協力もえながら考察し、上利は調査も含めて芸術を制作過程・社会文化的背景・日常生活において考察することから芸術によるケアへと視野を広げ、山下は市民との積年の読書会のなかから市民の宗教に関わる問題意識を汲み上げるなかで宗教のもつケアの力をともに考えてきた。こうしたそれぞれの現場につながる試みをつきあわせるなかで、対話が重要な役割を果たしたが、それは唯一の方法として確立されたわけではなく、さまざまな課題を残したままである。私たちは、この共同研究を進めていくなかで、とりわけ「ケア」の問題に共通の具体的テーマを見いだすようになり、今回の「方法論的構築」を踏まえたうえで、今後の研究の目標として、「いのちとこころのケアの諸問題に取り組む臨床人間学の展開」ということを計画している。今回の研究によって、とりあえず、そのための足場は得られたと考えている。
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