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イメージとその記憶の分析に関する方法論の思想史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12610042
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 思想史
研究機関東京大学

研究代表者

田中 純  東京大学, 大学院・情報学環, 助教授 (10251331)

研究期間 (年度) 2000 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワードアビ・ヴァールブルク / 図像学 / イメージ / ヴァルター・ベンヤミン / 精神分析 / 記憶 / ルートヴィッヒ・クラーゲス / 美術史 / ユダヤ人 / ルネサンス美術 / ヴァールブルク研究所 / ボッティチュリ / 古代 / ユダヤ教
研究概要

本研究では次の4点について、それぞれを有機的に関連づけながら研究を展開し、成果を得た。
1.アビ・ヴァールブルクが精神形成をおこなった19世紀後半のハンブルクの文化的環境を、特にドイツでも有数のユダヤ人銀行家一族であるという彼の出自に注目しつつ、調査・分析し、主にイタリア・ルネサンスの美術を対象とした研究に結実していくヴァールブルクの思想形成過程を資料に即して考察した。
2.ヴァールブルクの著作や書き残したメモに基づいて、その図像学的方法論を再構成し、同じ美術作品を主題とした諸研究にも目を配ることによって、ヴァールブルクの方法の独自性を検証した。
3.ヴァールブルグ研究所におけるパノフスキーをはじめとする図像学研究を方法論的な見地から検討し、個別の美術史的分析ではなく、方法論的な次元においてヴァールブルクの思想との比較をおこなった。これとともに、図像学が学問的な言説として制度化されるプロセスを、1920〜30年代のドイツとその後のロンドンを中心とするヴァールブルク学派の活動のなかに辿った。
4.ヴァールブルクの思考をルートヴィッヒ・クラーゲスの『魂の敵対者としての精神』などにおける議論と比較し、ジークムント・フロイトやカール・グスタフ・ユングの精神分析を視野に収めて、イメージと記憶、あるいは近代における「古代の再生」といった問題を中心に、世紀転換期から1930年代にいたる時代のドイツ文化圏の思潮について、イメージ論の観点から思想史的な分析をおこなった。これによって、クラーゲスもその一端を担ったバッハオーフェンの母権論思想復活の動向をはじめとする、この時代のドイツ思想における神話的イメージの大きな役割が見出された。また、ヴァールブルクの思想とヴァルター・ベンヤミン『パサージュ論』との比較対照を通じて、このいずれもがその背景にゲーテ自然学、とくに形態学の思想をもっており、同時代の思想に幅広く同一傾向の見られる点が明らかとなった。

報告書

(4件)
  • 2002 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (29件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (29件)

  • [文献書誌] 田中 純: "死者たちの都市へ--敷居の技法"10+1. 27. 2-10 (2002)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 田中 純: "類推的都市のおもかげ--ノスタルジックな形態学"10+1. 28. 2-10 (2002)

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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 田中 純: "アウシュヴィッツからの頓呼法--悪夢への目覚めをめぐって"10+1. 29. 2-12 (2002)

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  • [文献書誌] 田中 純: "時を建てる--WTC、ザクセンハウゼン、伊勢神宮"10+1. 30. 2-12 (2003)

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  • [文献書誌] 田中 純: "未生の者たちの記憶--ダニエル・リベスキンドと伝統"批評空間. III・4. 105-119 (2002)

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  • [文献書誌] 田中 純: "小人の囁き--ベルリン1902-2002"ユリイカ. 34・15. 153-159 (2002)

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  • [文献書誌] 田中 純: "アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮"青土社. 397 (2001)

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  • [文献書誌] TANAKA Jun: "Toward the City of the Dead."10+1. No.27. 2-10 (2002)

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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] TANAKA Jun: "Trace of Analogical City."10+1. No.28. 2-10 (2002)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] TANAKA Jun: "Apostrophe from Auschwitz."10+1. No.29. 2-12 (2002)

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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] TANAKA Jun: "Building a Moment."10+1. No.30. 2-12 (2002)

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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] TANAKA Jun: "Traces of the Unborn : Daniel Libeskind and Tradition"Critical Space. III-4. 105-119 (2002)

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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] TANAKA Jun: "Whispers of the Little Hunchback : Berlin"Eureka. 34-15. 153-159 (2002)

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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] TANAKA Jun: "Aby warburg : Labyrinth of Memories."Seidosha. 397 (2002)

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      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 田中 純: "死者たちの都市へ--敷居の技法"10+1. 27. 2-10 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 田中 純: "類推的都市のおもかげ--ノスタルジックな形態学"10+1. 28. 2-10 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 田中 純: "アウシュヴィッツからの頓呼法--悪夢への目覚めをめぐって"10+1. 29. 2-12 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 田中 純: "時を建てる--WTC、ザクセンハウゼン、伊勢神宮"10+1. 30. 2-12 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 田中 純: "未生の者たちの記憶--ダニエル・リベスキンドと伝統"批評空間. III・4. 105-119 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 田中 純: "小人の囁き--ベルリン1902-2002"ユリイカ. 34・15. 153-159 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 田中 純: "箱をめぐる戦略--都市のレディ・メイド"10+1. 24. 2 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 田中 純: "双子の死--パルチザン戦争の空間"10+1. 25. 2 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 田中 純: "砂漠のなかの砂漠--マンハッタン/カンダハル"10+1. 26. 2 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 田中 純: "アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮"青土社. 397 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 田中純: "警察/都市の頽廃-亡霊的暴力批判論"10+1. 20号. 2-9 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 田中純: "セイレーンの誘惑-ナポリ,カプリ,ポジターノ"10+1. 21号. 2-11 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 田中純: "ボナパルティズムの署名.-都市クーデターの技術"10+1. 22号. 2-13 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 田中純: "都市表象分析I."INAX出版. 423 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 田中純: "ミース・ファン・デルローエの戦場-その時代と建築をめぐって"340 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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