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スペキエース、幾何光学を用いるルフス、ベーコン、オレームらの認識論の系譜

研究課題

研究課題/領域番号 12610046
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 思想史
研究機関大阪府立大学

研究代表者

中村 治  大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (10189029)

研究期間 (年度) 2000 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワードニコル・オレーム / ヤン・ファン・エイク / アルハーゼン / ロジャー・ベーコン / スペキエース / アリストテレス / 空気遠近法 / 光の描出 / ニコル・オーレム / ビュリダン / オレーム / トマス・アクィナス / 宇宙 / 地球自転説 / キリスト教 / 自然学 / 光 / 色 / 幾何光学 / ルフス / トマス / ベーコン
研究概要

ヤン・ファン・エイク(1390年頃〜1441年)において光と空気、色の無限の諧調、細密的な質の描出が突如始まったとされるが、その描出の理論的な根拠をニコル・オレーム(1320年頃〜1382年)の考えの中に見出すことは可能である。オレームはアルハーゼン、ロジャー・ベーコンに従い、対象の色のいかなる部分からであれ、媒体のいかなる点に向かっても真っ直ぐな線が引かれ、それに沿ってその対象の色全体のスペキエース(見ることを生じさせる可視的形象)が伝わり、その結果、目が媒体中のどこにあっても、底面が対象にあり、頂点が目の内にあるピラミッド状の形が構成されるという。しかも目において対象のスペキエースは広がりを持ち、対象に似ている。それゆえそれをそのまま写せば、対象によく似た絵を描けるはずである。彼は質の強弱を図形で表すこと(例えば黒に近い灰色から白に近い灰色まで一様に変化していく直線上の色を直角三角形で表す)を提唱したが、それは、対象が持つ質(色)の無限の諧調を表すことを思いつかせる。さらに、当時のアリストテレス的世界観によれば、地球は空気に取り囲まれているのであるから、遠くのものとの間には多くの空気があることになり、遠くのものをぼやかす空気遠近法を用いるのも当然となる。また、空気は何らかの程度において濃いので、空気のいずれの点においても光の何らかの反射があり、それゆえ、部屋の中に一筋の光が差し込むと、光が直接あたっていない場所も含めて、部屋全体がほんのり明るくなるのも説明でき、光を描くことに対して理論的根拠を与えることになる。しかもオレームは、翻訳本普及のために挿絵を入れることを積極的に推し進め、自らその構想者となってヴァロア王朝の周囲にいた画家たちを指導したのである。そのような画家たちと接触を持っていたヤンが色の微細なニュアンスを描き、空気、光を描くようになったとしても不思議でない。

報告書

(5件)
  • 2003 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 中村 治: "光と空気の最初の描出を可能にしたもの-見ること、光、空気についてのニコル・オレームの考え-"大阪府立大学紀要. 52. 9-21 (2004)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] NAKAMURA Osamu: "Nicole Oresme and the first paintings of air and light"Bulletin of the Osaka Prefecture University. vol.52. 9-21 (2004)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 中村 治: "光と空気の最初の描出を可能にしたもの-見ること、光、空気についてのニコル・オレームの考え-"大阪府立大学紀要. 52. 9-21 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 中村 治: "ビュリダンの宇宙論"大阪府立大学紀要(人文・社会科学). 51. 1-14 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 中村治: "リチャード・ルフスの認識論"中世哲学研究. 第18号. 11-20 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 中村治: "中世自然学の前提-下界への天界の影響"大阪府立大学紀要. 第49号. (31)-(40) (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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