研究課題/領域番号 |
12610047
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
小島 康敬 国際基督教大学, 教養学部・社会科学科, 教授 (70101590)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 平尾魯仙(僊) / 平田国学 / 幽冥 / 柳田国男 / 民俗学 / 平田鉄胤 / 平田篤胤 / 幽府新論 / 平尾魯仙 / 平田銕胤 / 津軽国学社 |
研究概要 |
平尾魯仙は津軽の代表的画人として知られているが、本研究では国学者、民俗学者としての彼の業績を思想史的に位置づけた。津軽では鶴舎有節を筆頭として、今村真種、岩間滴、三谷大足、増田幸太郎、植田平吉、竹田清次郎、笹木淡路、小野若狭、笹木健作等々といった人々が平田篤胤没後門人という形で篤胤の養子鉄胤の門下に名を連ねており、津軽国学グループと称してもよいような人脈が形成され、魯仙もその主要なメンバーであることを、収集した書簡・史料から実証的に明らかにした。加えて、不明確であった魯仙の生涯を掘り起こし、跡づけた。 また、彼の主要著作である『幽府新論』を分析し、そこで展開されている言説が平田篤胤の幽冥界に関する言説に強く影響を受け、古今に渡る和漢の学説を博引妾証しながら「神霊」「鬼神」「心霊」の活動と幽冥界の実在を証してゆこうとしたものであることを考察した。 魯仙は土俗的な宗教的土壌に深く根ざしたところで考え、人々の土俗的な信仰の内に息づいている基層の感覚を吸い上げて、それを学問、思想として表現していったのである。 魯仙のこうした知的営為には、平田国学に関するこれまでの研究視角の変更を迫るものがある。すなわち従来、平田国学はナショナリズム思想、国体イデオロギーの権化という視点から分析される事が多かったが、明治期の柳田民俗学を準備するような先駆的意義を有することを論証し、国学が民俗学として展開してゆく系譜の可能性を構想した。
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