研究課題/領域番号 |
12610057
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学(含芸術諸学)
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研究機関 | 東京大学 (2002) 広島大学 (2000-2001) |
研究代表者 |
安西 信一 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教授 (50232088)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 風景式庭園 / イギリス / ランドスケープ / ストウ庭園 / キュー庭園 / 美学 / 庭園 / 植民地主義 / グローバリズム / 自然 / 田園都市 / イデオロギー性 / ランドスケープ・アーキテクチャー |
研究概要 |
現在、環境の美的造形を支えるのが、一八世紀に始まるイギリスの造園・造景美学であることは、広く認められている。一八世紀イギリスは、従来のヨーロッパで一般的だった整形的・幾何学的西洋庭園の伝統とは異なる独自の自然風庭園様式、いわゆる「風景式庭園」を生み出した。このイギリス風景式庭園は、後に一般化ないし平板化され、文字通り「自然」で快適なものと認められることで、若く広大な国アメリカの環境造形に継承される。すなわち、都市計画や開発と一体化した、大規模な「ランドスケープ・アーキテクチャー」の発展である。これはイギリス的伝統を長く引き継ぎながら、今日、全世界中で実践・教育されている。 本研究の目的は、以上の流れを跡付けつつ、同時にそうした単純な整理ではつくされない忘れられた伝統、あるいは現在の環境造形を批判的に評価・深化するための多様な基準を、イギリスを中心とする美的環境造形思想に探ることである。そのため、従来、美学に省みられることの稀であった、美的な造園・計画に関する主に英語圏の文献を、美学芸術学的な思想として通時的・体系的・包括的に精査した。しかも同時に、具体的な庭園のいくつかに則しつつ、さらにそれらを取り巻く社会政治的なイデオロギーをも十分顧慮しながら、現在の環境造形にまで至るその意義を考察した。 その概要は、以下の通り。(1)風景式庭園の美的政治学:ストウ庭園とイングリッシュ・ガーデンのイングリッシュネス。(2)農業と美:風景式庭園のライトモチーフ。(3)仮象の廃墟・風景四季亭園における人工廃墟(4)埋められた不協和音・キュー庭園を巡るカンヴァセーション・ピーシーズ(5)ピクチャレクの「移植」:イギリスから現代へ。
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