研究課題/領域番号 |
12610085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
桐田 隆博 岩手県立大学, 社会福祉学部, 助教授 (20214918)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 笑い / laugh-speak / 会話分析 / 対人相互作用 / トランスクリプション / 準言語 / インタビュー / 認知点 / 発話 |
研究概要 |
本研究では、笑いながら話す現象、すなわち、laugh-speakを1)実験的に設定した面接場面、2)日常の生活揚面としての酒場、そして3)アメリカのインタビュー番組という3つの異なる状況において観察し、その生起する状況や機能について会話分析の手法を援用して検討した。その結果、いずれの観察場面においてもlaugh-speakは頻繁に観察され、laugh-speakは日本人特有の現象ではなく、少なくともアメリカ人においても観察される現象であり、対人相互作用場面において重要な働きをしていることが明らかになった。 観察から明らかになったlaugh-speakが生起する形式的契機として、「言葉の繰り返し」、「言葉の言い淀み」、「他者の発言の引用や過去の再現」、「発話内容の間接化」を挙げることができる。さらに、laugh-speakが生じた部分の発話の意味や文脈から推測される機能として、「発話内容の強度的側面への修辞」および、「発話内容に対する話者の感情や態度的側面への修辞」を挙げることができる。これら推測されたlaugh-speakの働きは、これまでJefferson(1979)や谷(1986)が笑いながら話すことの機能として指摘した範囲を大幅に拡張することを示唆している。 その一方で、観察されたlaugh-speakが文脈に定位不能な場合もあり、laugh-speakが機能の側面からだけでは捉えきれないことも明らかになった。さらに、laugh-speakに想定される機能が、実際どの程度効力を発揮しているかについては、聞き手の笑いを誘う場合を除いては、曖昧なままである。これらの点ついては、今後、さらに観察を重ねて検討する必要がある。
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