研究課題/領域番号 |
12610101
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | (財)労働科学研究所 |
研究代表者 |
鈴木 一弥 (財)労働科学研究所, 研究部, 研究員 (90291898)
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研究分担者 |
北島 洋樹 (財)労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (20234255)
前原 直樹 (財)労働科学研究所, 所長 (60165660)
坂野 純子 (財)労働科学研究所, 研究部, 研究員 (70321677)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | ヴィジランス / 眠気 / 瞬目 / 自動車運転労働 / 夜勤 / 眼球運動 |
研究概要 |
眼球運動は眼電図(electro-oculogram ; EOG)などによって、さまざまな作業をおこなう人に対して比較的簡便な測定が可能である。EOGには、視線の移動だけでなく多様な情報が含まれている。瞬目(eye-blinking)やサッカード(saccadic eye-movements)、緩徐眼球運動(slow eye movements ; SEM)などの種々の眼球運動成分には、生体の状態に関するさまざまな情報が含まれていることが明らかにされている。本研究、は作業場面における安全の問題に関して、眼球運動指標の利用方法を明らかにするための基礎的検討をおこなうものである。 初年度(2000年)には、眼球運動への影響が比較的顕著と考えられる単調場面(講習の聴取)での覚醒水準低下を中心に取り上げた。眼球運動変数の時系列変動と行動、主観の観察・分析を実施した。分析の結果、相関分析等を実施した結果によれば、瞬目持続時間が眠気の指標として有効であり、強いレベルの眠気の場合には眼球運動の緩徐成分の増大が認められた。講義の聴取など、比較的静的で居眠りが比較的生じやすい作業における眠気の評価においては、眼電図における瞬目(頻度と持続時間)、緩徐眼球運動の生起を記録して行動観察を併用することによって有効な評価が可能でることが示された。 次年度(2001年)にはトラックによる長距離走行時の眠気進行に伴う眼球運動指標への影響を観察した。深夜-早朝時間帯において、眠気の進行に伴う瞬目持続時間の延長がみられた。また、眠気に伴うサッケード速度の低下傾向がみられた。実作業中の瞬目頻度に関しては、走行環境条件による影響が伺われたが、眠気に伴う対処行動的な瞬目の増加がみられた例があった。また、眠気が強く、道路状況も単調な場合には瞬目回数の顕著な減少が生じた。今回の実走行実験においては、緩徐眼球運動が生じるレベルの眠気は観察されなかった。 比較的簡便なEOG方による眼球運動データーにおいて、眠気の強度に応じた諸変化が認められ、特に瞬目指標が実作業中の眠気の指標として有効であることが示された。道路状況、行動などの分析の併用の重要性、水平EOGによるサッカードや緩徐眼球運動と瞬目の併用が有効であることが明らかになった。 瞬目指標を連続的な深夜走行をおこなうトラックドライバーに適用し、夜勤の連続に伴う眠気の増加を確認し、実際の作業負担への適用例を示した。
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