研究概要 |
本研究の基本目的は,メディア・コミュニケーションが対人関係の道具として機能していることを実証することである。本研究では,携帯コミュニケーションの心理学的規定因が検討された。質問紙調査が女子大学学生を対象として実施された。彼らは,親和性尺度(前原,1979)や拒絶敏感性尺度(Downey & Feldman,1996)に加え,携帯コミュニケーション行動を評定した。 観測変数の構造方程式分析によると,発話コミュニケーションとメールコミュニケーションの差異が示された。発話コミュニケーション行動に対する親和性の影響は顕著であった。また,携帯コミュニケーションと個人的傾性との関係は,受信不安によって媒介されていた。次の連鎖が推測された。拒絶敏感性が高まると,受信懸念がもたらされる。この受信懸念によって,メール・コミュニケーションが活性化される。本研究の結果は,携帯電話出会い系サイトの観点から論議された。
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