研究課題/領域番号 |
12610122
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
|
研究機関 | 学習院大学 (2001-2002) 大阪大学 (2000) |
研究代表者 |
外山 みどり 学習院大学, 文学部, 教授 (20132061)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 社会的認知 / 帰属過程 / 推論 / 認知バイアス / 行動予測 / 知覚的顕現性 / 対人認知 |
研究概要 |
本研究の目的は、人間の行動の決定因に関する概念的整理と、新たな方法論に基づく実験的研究によって、帰属判断において広く見出されている、推論の非対称性の背景を探ることであった。人間の行動の原因を行為者本人の内的要因と外的状況の要因とに分けるやり方は、Heider以来、帰属研究において広く用いられている。しかし、実証的研究が進むにつれて、「人」と「状況」に関する推論には、非対称な関係が存在することが明らかになった。第一に、原因帰属において、人の側の内的要因を重視しすぎるという形の非対称性があり、また推論において、人の内的特性に関する推論が状況に関する推論よりも先行するという認知プロセスにおける非対称性、そして人と状況に対する知識の量と質に関する非対称性などのさまざまな側面が含まれる。本研究では、1.行動の予測や般化可能性など、帰属以外の認知的測度を探索することにより、社会的推論研究の範囲を拡大すること、2.視覚的な刺激を用いた実験により、人と状況の知覚的顕現性の効果を吟味することの2点を通して、推論の非対称性の問題を検討した。1.については、情動関連の行動は状況側の原因に帰属されて、同一状況の他個人への行動予測がなされやすく、特性関連行動は人の側の原因に帰属されて、同一個人の他状況への行動予測がなされやすいことが見出され、また状況よりも個人に関する予測が特に顕著であるという非対称性が見られた。2.に関しては、コンピュータ・グラフィックスによる刺激と、2人の人物の会話場面を異なった角度から映写したビデオ映像を用いた実験を行った。どちらの実験でも、知覚的顕現性が社会的推論に及ぼす効果を検討したが、各人物の発言内容や会話の流れなどの影響が大きく、知覚的な顕現性の効果は必ずしも明瞭ではなかった。以後、実験方法の改善を行い、状況の性質等も考慮に入れながら、更に検討を重ねる予定である。
|