研究概要 |
本研究の目的は体験学習の効果について検討することである。研究1では321人の中学生が5日間にわたる職場体験学習を行い,その結果,生きる力の元になると考えられる生活コンピテンス尺度が作成された。下位尺度は,未来志向・個人志向・社会志向・ソーシャルスキルからなる。職場体験前後で,有意にコンピテンスの値が上昇することが明らかにされた。研究2では,59人の中学生が職場体験学習に参加し,その後の自由記述をKJ方により分類することによって,認知的気づきについて見いだされた。もっとも多かったものが,仕事・社会についてのきづきであり,次に他者についての気づき・自己の動機づけについての気づきであった。これらの気づきは体験前後のイメージ尺度と関連しており,体験によって働くことへのポジティブなイメージを促進することが明らかにされた。研究においては,福祉ボランチア体験を用いて,体験学習の指導を促進する介入プログラムが開発された。
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