研究課題/領域番号 |
12610133
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉良 安之 九州大学, アドミッションセンター, 教授 (30195408)
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研究分担者 |
福盛 英明 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (40304844)
安達 義弘 福岡国際大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (60175891)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 民間巫者 / カウンセリング効果 / 沖縄地域 / 宗教文化 / 宗教的面接 |
研究概要 |
本研究は、(1)沖縄地域住民を対象とした民間巫者に関する質問紙調査研究、(2)民間巫者を対象とした調査研究、の2つの方向から実施された。 (1)沖縄地域住民を対象とした質問紙調査は、平成12年度に予備調査を行い、それを踏まえて質問項目を精錬し、平成13年度に大学生157名、中高年齢者164名を対象にして本調査を実施した。その結果、家族のユタ利用率は大学生では62%、中高年齢者では80%、本人のユタ利用率は大学生で17%、中高年齢者で50%であった。そして、ユタの利用は「ヒヌカンを祭る」という沖縄地域の女性によって担われている宗教文化と密接に関連することが見いだされた。ユタに関する評価イメージは、ユタ利用経験の有無にかかわらず、「良いイメージと良くないイメージの両方を持っている」に回答する人がもっとも多かった(大学生48%、中高年齢者44%)。ユタに関する認知イメージは、分析の結果、「a.神聖な霊能者」「b.地域社会の伝統的相談役」「c.災いをもたらす存在」「d.疎遠で不気味な存在」の4因子から成ることが見いだされ、aとbは「良い」評価イメージと関連し、cとdは「良くない」評価イメージと関連していた。以上から、民間巫者(ユタ)は、霊能者としての素質にもとづいた言動により、地域社会の人々が困難を抱えたさいの相談役(カウンラー)としての機能を果たしていることが確認されたが、その一方で、地域社会の人々にとってユタとの接触は、信頼・安心・依存と不信・不安・忌避との両極の間を大きく振幅する、複雑でアンビバレントな感情を引き起こすことが見いだされた。 (2)民間巫者(ユタ)を対象とした調査からは、ユタ自身の成巫過程が自己治療と言えることが見いだされた。
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