研究課題/領域番号 |
12610134
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山口 裕幸 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (50243449)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | チームワーク / 問題解決 / 創造性 / 集団意思決定 / リーダーシップ / コミュニケーション / チーム・エンパワーメント / セルフ・マネジング・チーム / セルフ・マネジメント・チーム |
研究概要 |
本研究は、集団による的確で創造的な問題解決を導くような優れたチームワークに備わっている諸特性と機能について、社会心理学的視点から明らかにすることを目指した。まず、チームワークの概念を整理し、先行研究のレビューを行って、関連研究の動向を確認し、本研究の目的と位置づけを明確にする作業を行った。続いて、企業組織における販売営業チームを対象として、実証的検討を行った。具体的には、対象企業の協力を得て、モバイル・コンピュータやEmail、電子会議を活用したシステムを介して行われたチーム・コミュニケーションの様相について、データベースに記録されたすべての交信ログを内容分析し、時系列的に検討した。引き続き、質問紙調査およびインタビューを行って、メンバーが、チーム・コミュニケーションやチームワークに関して、どのように認知しているのか検討した。さらに、これらの分析データについて、優秀な業績をあげ続けているチームと、業績が伸び悩んで苦戦しているチームとで比較することによって、優れたチームワークを規定する変数を検討した。 分析結果は以下のようにまとめられる。優れた業績をあげているチームでは、チーム内で交わされる情報の性質は課題遂行・問題解決を指向するものが主流を占め、チームワークの概念として「個々が役割をきちんと果たすこと」が多く選択されていた。これに対し、苦戦するチームでは、情緒的支援や指示伝達情報の確認のためのチーム・コミュニケーションが主流を占め、チームワークの概念として「互いの弱点を補い合うこと」が多く選択されていた。本研究では、メンバーに認知されるチームワークの概念は、チーム・コミュニケーションのあり方やチームの業績と相互作用しながら、チームの個性を生み出していることが示された。そうした相互作用がチームの問題解決や課題遂行と連関していく様相のさらなる解明が今後の課題として提示された。
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