研究概要 |
本研究は、公立小学校教師と私立男子中学校教師を対象にリーダーシップ・トレーニング6研究計画を実施した。 1.平成12年度は3小学校の3-6年17学級17名の教師(生徒数558名)を対象に、第1回調査-第1回PMリーダーシップ・トレーニング(PMT)-自己研修-第2回調査-第2回PMTのスケジュールで2研究計画を実施した。調査内容は、担任教師のリーダーシップ行動(20項目)とスクール・モラール(22項目)、教師像、生徒の交友関係、教師のストレス、生徒のストレス等である。三隅・吉崎・篠原(1977)のPMリーダーシップ測定項目を再度因子分析してP項目の2項目を新しい項目に入れ替え、20項目を採用した。スクール・モラール項目は、学校に対する態度、学級連帯性、学習意欲、学級雰囲気の19項目である。PM4タイプ(PM, M, P, pm)とスクール・モラールとの関係は、従来のPM研究と一致して、スクール・モラール4因子とも、リーダーシップの効果性は、PM>M>P≧pmの順位であった。数量化理論第III類による教師像のパタン分類によると、望ましい人格特性・適切な行動とPM, M型、望ましくない特性・不適切な行動とP型が一致することが見いだされた。pm型ははっきりとした特徴がなかった。 2.平成13年度は、2小学校9学級10名の教師(生徒数304名)を対象とし、学校毎に実施した。リーダーシップ・トレーニングは、3回の調査(予備調査を含む)と、3回の集合研修(基礎研修、第1回・第2回PMトレーニング)、3期間にわたる集合研修後の自己研修から成る8ヶ月間の研修を行い充実を図った。 3.平成14年度は、7小学校7学級7名の教師(生徒数190名)を対象として、前年度と同じ研修を実施して、研修の効果を確認した。また、私立中高一貫教育男子校1〜3年7学級7教師(生徒数263名)を対象とした研修では、第3回調査を追加して自己研修の効果を検証した。さらに、従来の研修では、自己研修期間中のトレーナーとトレーニーの連絡は郵便で行われていたが、本研修では電子メールを活用した。トレーナーの事務量の削減と連絡時間の短縮に大いに役立つた。
|