研究課題/領域番号 |
12610183
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
藤田 栄史 名古屋市立大学, 人文社会学部, 教授 (50110755)
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研究分担者 |
浅生 卯一 東邦学園大学, 経営学部, 教授 (70281912)
飯島 伸彦 名古屋市立大学, 人文社会学部, 助教授 (20259310)
野原 光 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (40085999)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 労働過程 / 職場組織 / 生産革新 / 雇用・人事管理 / セル生産 / 雇用構造 / 組立作業 / 自動車産業 / 電機産業 |
研究概要 |
1990年代以降の雇用構造と労働・生活様式の変化を、一方では、個別企業における雇用管理・生産システムのミクロなレベルから、他方では雇用・人事管理に関する政府・労働組合・経営者団体の政策・提言というマクロなレベルから、分析する作業を行った。 ミクロなレベルからアプローチした自動車・電気機器産業について実施した事例調査によると、ライン生産方式の欠陥を克服するために1990年代にあらわれた「完結工程」「セル生産」という方式は、細分化された分業の行き過ぎを避け、機能的に意味ある連関を持ったひとまとまりの作業(完結作業)を重視するという、分業に関する新しい考え方を持っている。この点で、ベルト・コンベア方式の組立ラインを廃止したボルボのウッデバラ方式という表面的には対極的な位置にあると思われている生産コンセプトと共通性を持つ。しかし、作業者の能力の開発・活用や「労働の人間化」についての考え方の違いはあり、日本では作業完結の範囲は、狭い意味での経済性を重視してプラグマティックに決められている傾向が強い。その結果、非正規労働力の活用が広がることにもなっている。作業完結という考え方の導入は、作業編成レベルの変化だけの問題ではなく、製品・製造過程の開発プロセスならびに人事管理の改革とも連動している。 マクロなレベルから雇用構造と労働の変化をみると、実態面での変化はラディカルなものではないものの着実に進行している。たしかに90年代後半以降、大企業内の雇用システムに市場原理を取り込んだ新しい雇用慣行が浸透し始めているが、大企業経営者の中では市場至上主義の考え方について懐疑的な傾向が強く、こうした慣行が支配的なものになるかどうかは不透明である。
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