研究課題/領域番号 |
12610239
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
斎藤 佐和 筑波大学, 心身障害学系, 教授 (00015819)
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研究分担者 |
佐藤 晋治 筑波大学, 心身障害学系, 助手 (90323237)
鷲尾 純一 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (80220854)
四日市 章 筑波大学, 心身障害学系, 教授 (20230823)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 聴覚障害教育 / 聾学校 / センター的機能 / 特別支援教育体制 / 連携 / 難聴学級 / 通級指導教室 |
研究概要 |
文部科学省による平成13年1月「21世紀の特殊教育の在り方について」最終報告書及び今年3月に出されたばかりの「特別支援教育の今後の在り方について」(最終報告)は、戦後55年続いた特殊教育体制から特別支援教育体制への転換の方針を示している。新しい体制のなかでは、聾学校はこれまでの教育機能に加えて、地域の小学校・中学校や盲学校、養護学校、または医療・福祉・労働諸機関と連携して、聴覚障害教育に関わるセンター的機能を果たすことが求められている。本研究は、障害児教育の体制への転換期に当たり、聴覚障害教育において聾学校が蓄積してきた人的・物的教育資源を、地域で有効に活用するためのシステム構築に資することを目的としている。 中間報告では、聾学校と緊密な関係をもつ全国の難聴特殊学級、通級指導教室の担当者に対して、それらの教育環境の実際と聾学校との連携に関する調査研究を実施した。最終報告では、全国106校の聾学校が近年進めてきたセンター的役割について、子どもの年齢段階に沿って、乳幼児・幼児期、義務教育段階、高等部段階、卒業後の時期に分けて実態調査を行った。 106校中、94校からの回答(89%)があり、現状を分析するのに十分な資料となった。全体的観点からの調査に対する回答から、現在は約4分の1にあたる25校が、聾学校単独校としての在り方に変化を予想していることが分かったが、多くは単独校として存続し、その中でのセンター的機能の充実、多様化を望んでいることが明らかにされた。特に乳幼児期の相談・支援活動の充実、小・中学校における通級による指導においては組織的対応がかなり進んでいる。また各年齢段階に沿った調査項目への回答から、新生児聴力検査の普及に伴う乳幼児教育相談の増加や早期化、巡回による指導・サテライト校での指導など多様な形態での通級による指導の拡大、高等教育機関への入学試験や入学後の情報保障への支援の開始、地域に対するサービスの増加など、近年の変化が裏付けられた。聾学校が地域の聴覚障害教育のセンターとして更に発展するためには、限られた資源の中で関連機関とそれぞれの実情にあった連携システムを構築することが当面の大きな課題である。
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