研究課題/領域番号 |
12610255
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
伊藤 直美 (蓮尾 直美) 三重大学, 教育学部, 教授 (80117217)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 学級社会の危機 / 女性教師 / 教育的営為 / 教師-生徒の相互行為 / ジェンダー / 学級社会学 / 教師のキャリア形成 / 小・中学校の事例 / 小・中学校の調査事例 / 教師と生徒の相互行為 / 教師の生活世界 |
研究概要 |
三重県下の小・中学校教師を対象とする調査(H.12年度約1800名の質問紙調査、ならびにH.13年度面接調査を実施)によって得られた研究成果は、つぎの通りである。すなわち、1.教師たちにとって、学級社会をめぐる困難事の多くは、生徒たちの学習指導面よりも、生活指導面、ならびに両親たちへの対処の面で生じている。 2.それらの困難は、学校・学級社会をとり巻く地域社会の構造変化や家族の少子化等が進行して、生徒たちが家族内で基本的な人間関係のもち方や生活習慣に関するしつけを受けた経験が乏しく、学級社会内での教師の助言や指導を受け入れることの出来ないものが増加していること、それは、両親の中にも同様な面があることに起因していると考えられる。 3.学級社会の危機をジェンダーの視点から観察すると、女性教師に対する生徒たちの言動にジェンダーの要素が、すでに存在し、男性教師の場合以上に危機や葛藤を感じる傾向がみられた。 4.学校種別では、中学校の教師が小学校の教師の場合より、危機的状況は深刻であり、面接調査の事例では、授業場面で顔面に暴行を受け、眼底骨折の重症を負った女性教師など、観察された。 5.男性、女性を問わず、教職経験に伴い、教師たちは自己のアイデンティティーを次第に分化させつつ、その生き方を形成しつつあることがわかった。とりわけ、女性教師は、中年齢段階において転機を強く自覚する傾向があった。
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