研究課題/領域番号 |
12610260
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
|
研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
村上 登司文 京都教育大学, 教育学部, 教授 (50166253)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 平和博物館 / 軍事博物館 / 戦争記憶 / 社会的機能 / 平和教育 / 平和意識 / 社会的規定因 / 自衛隊広報施設 |
研究概要 |
本研究では、平和博物館と軍事博物館の比較を行い、さらに日本と外国との比較を交差させることにより、両博物館がどのような特徴を持ち、いかなる社会的機能を果たし、どのような社会的要因の影響を受けているかを考察した。 日本の軍事博物館として自衛隊広報施設について資料を収集し、その展開と展示内容を分析した。自衛隊広報施設などは、特に1964年から1969年にかけてその開設時期が集中していた。2000年前後に海・空・陸の各自衛隊に開設された3つの大規模広報施設が、多数の入館者を集めている。展示内容は、旧軍隊継承型から自衛隊現在型へ移行しつつある。 平和博物館と軍事博物館では戦争の扱い方が大きく異なる。日本などにある平和博物館の社会的機能は、戦争体験を次世代に継承し、二度と戦争は繰り返してはならないという反省の意識と、平和希求の意志を形成することである。潜在的機能として、戦争にも反対する平和主義に人々を導いたり、戦争につながる愛国心への不信感を起こすことなどがある。 他方、軍事博物館の社会的機能は、自国が行った戦争の歴史を継承し特に祖国防衛戦争と解放戦争を伝え、入館者の国防意識を啓発し愛国心を涵養することにある。殉職した英雄の展示や戦争記念モニュメントや、兵士のための国立墓地には、戦争殉職者を追悼・顕彰する作用がある。 世界各国には、平和博物館と比べて、軍事博物館の方が開設数が多く、歴史も長く、そして規模も大きい。それだけ軍事博物館の方が、人々に対して社会的機能が強く働き、影響力が大きいといえよう。日本では、規模が大きい平和博物館がいくつもあり、入館者数も多く、平和博物館が入館者に平和主義的意識を形成する作用があるといえよう。
|