研究概要 |
1、教職員免許制度とスクールカウンセラーの資格と養成・研修 各州の教職員免許制度の現状をとらえつつ,スクールカウンセラーの免許資格における特徴を考察した。アメリカの教職員免許制度は更新・上進制を現職研修の対応が特徴である。スクールカウンセラーの資格も免許資格である。固定資格の要件は,主として(1)カウンセリングが近接領域の修士号,(2)修士号取得後2年の専門カウンセリングの経験,(3)スーパーバイザーと同僚によるスキル査定,(4)カウンセラー国家試験(National Counselor Examination)合格である。わが国と異なり,教職経験を要求している場合が多い。スクールカンセラーの免許資格も更新制や上進制が通年導入されている。スクールカウンセラーの役割は,学習過程を前進させ,向上させることである。「学業的発達」「キャリア的発達」「個人的・社会的発達」の3つの広領域の「子どもの発達」を促進している。 2、いじめ問題事例を通しての教職員とスクールカウンセラーの介入・役割をアメリカの先行論文を通して分析した。またスクールカウンセラー自身の校内での職務とアイデンティティーの研究はどのようになされるのかをスクールカウンセラーに与える校内外の促進要因,阻害要因を探った。さらにスクールカウンセラーはアメリカの場合,教員経験もあることから,教師をめぐる状況も,日本の状況もとらえつつ,検討した。スクールカウンセラーの免許資格について歴史的推移をふまえつつ,今日的,発展的状況,課題を探ることも残された研究として位置づけられる。
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