• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

北部カメルーン・フルベ族の社会における個人史と社会変動

研究課題

研究課題/領域番号 12610321
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 文化人類学(含民族学・民俗学)
研究機関国立民族学博物館

研究代表者

江口 一久  国立民族学博物館, 民族文化研究部, 教授 (90045261)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード北部カメルーン / 社会変動 / フルベ族 / 職業 / 民族学 / フルフルデ語 / フルベ語 / 伝統的社会 / 個人史 / 近代化
研究概要

本研究は、現在をいきている北部カメルーンのフルベ族の都市民を中心に、数十人のインフォーマントの個人史を中心とするインタビュー調査をおこなった。個人の記憶と関心度、教養に差があるので、インタビューからえられる情報は、均質ではない。たとえば、男性のインフォーマントは自分の人生と社会変動とかさねあわせる傾向にあるが、女性のインフォーマントは社会変動より、個人の生活におこった様々な変化に重点とおいて話をする傾向がある。また、男性の場合、自分のしてきた仕事を中心とする、個人史が展開するけれども、女性においては、初婚から、離婚、再婚、離婚の結婚歴を中心とする個人史が語られる。この性差による回答の差こそ、この社会のあり方を端的にものがたっている。だから、社会変動は、男性におおきな影響をあたえ、その影響が女性に波及する形をとる。
個人の社会的な位置、すなわち、どの社会階層に属するかということについては、十九世紀のイスラム化にともなうフルベ族を優勢とする時代の影響は二十一世紀め今日にもみられる。父系制度原理をもつて、フルベ族は非フルベ族の女奴隷との結婚によって、フルベ族社会を膨張させてきた。その結果、母系原理にもとづく差別をうみだしてきた。二十世紀になってからヨーロッパ人による植民地化がおこり、ヨーロッパ的な価値観が導入される。これは学校教育に端的にあらわれる。フルベ族はヨーロッパ的教育に、否定的な態度をとってきた。その結果、近代的な職業には適さない人たちをつくりだしてきた。この近代社会への不適合が貧困化という形で、個人の生活のおおきな影をもたらした。フルベ族出身の前大統領時代には、北部出身者に対する優遇政策のおかげで、フルベ族社会もうるおっていたが、南部出身大統領の就任により、ここ十数年は、フルベ族の貧困化が目立つようになってきたといえる。これにとどめをさしたのが、1994年におこったCFAの平価切り下げである。これらの変化はひろくうすく、フルベ族社会にすむ個人の生活に影響をおよぼしてきたといえる。

報告書

(3件)
  • 2001 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Paul Kazuhisa Eguchi: "Ndaa Biy Marva The Narrative of a Guiziga Pastor"National Museum of Ethnology, 2002. 197 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Paul K. Eguchi: "Ndaa Biy Marva'en The Narrative of a Giziea Pastor"Senri Ethnological Reports. 27. 1-197 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 江口一久: "北部カメルーン・フルベ族の民間説話集V"松香堂(京都). 1254 (2000)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 江口一久: "Ndaa Biy Marva'en The Narrative of a Giziga Pastor"国立民族学博物館. 218 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

URL: 

公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi