研究概要 |
平成12年度から平成15年度の4年間の間,豊前国と対馬・壱岐嶋以外の九州諸国の国一宮制に関する史料を,宮内庁書陵部・東京大学史料編纂所・熊本県立図書館・鹿児島県歴史資料センター黎明館・福岡市博物館・熊本市史編纂室等で収集した。各国一宮に伝来した文書や国一宮制に関係する文書,即ち国一宮の地位を競合した神社や国一宮を認定した各国の国衙関係史料.国一宮で行われる神事や社殿修造の用途を負担する各国内領主関係史料を収集した。九州諸国の一宮制を研究していくための基礎的な史料の多くを本科研で収集する事ができた。 本科研で収集した史料を活用して,九州諸国における国一宮制の特徴や諸問題,薩摩・筑後国における国一宮制の成立・展開過程に関する研究報告を一宮研究会で行った。本科研で集めた史料を活用して,今後も研究報告を行っていきたい。 本科研で収集した史料に基づいて,この4年筒の間に薩摩・大隅・日向国の国一宮制に関する諸論文を執筆した。中でも薩摩・大隅両国については,複数論文を執筆した。特に薩摩国における国一宮制に関しては,対外交易め点迄見据えて新田八幡宮の社領形成や社領支配、新田八幡宮と開聞神社との関係等を分析する事により研究を深化させる事ができた、今後薩摩国の国一宮制を徹底的に解明すると共に,大隅国を始め他の国々の国一宮制の成立・展開過程に関しても,本科研で収集した史料を活用して解明していきたい。
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