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近世北奥地域の馬産・獣害・大豆生産にみる人間と自然の関係史

研究課題

研究課題/領域番号 12610342
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 日本史
研究機関宮城学院女子大学

研究代表者

菊池 勇夫  宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (20186191)

研究期間 (年度) 2000 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード馬産 / 大豆生産 / 獣害 / 猪荒れ / 狼荒れ / 安藤昌益 / 鳥追い / 狼狩り / 猪飢饉 / 焼畑 / マタギ / 大豆 / 猪害 / 山椒太夫 / 周縁労働 / 狼 / 猪ケカチ / 飢饉 / 環境思想 / 気候変動
研究概要

東北地方北部の盛岡藩・八戸藩を中心に、馬・狼・猪・焼畑・大豆生産およびその他の要素を含めた生態系・環境について相互連関的な考察を行うことが研究の大きな目的であった。まだ、研究途中にあるが、この3年間のおもな成果は、1749年(寛延2)の八戸藩における猪飢饉の実態について明らかにし、その背景や要因について考察し、報告書にまとめることができたことである。1749年の飢饉は冷害型凶作が原因であり、猪荒れはそれほどではないという批判があったが、1740年代の猪荒れがかなりの作物被害を与えており、1749年がそのピークに達していたことは事実であり、猪荒れを過小評価できないことを論証した。ではなぜ、猪が異常繁殖したのか。そこには、地域の主要な産業であった大豆生産と馬産の2つが大きくからんでいた。大豆は商品作物として、17世紀末から江戸市場向けに生産・移出されるようになり、焼畑を含む山野の開発が進み、猪に襲われやすい耕作環境になった。また、藩牧および民間における馬産も展開したが、馬産にとっての大きな障害は馬が狼に襲われることであった。マタギ(鉄炮猟師)を動員した狼狩りによって、天敵のいなくなった猪が急増したと推測される。猪飢饉は、開発による生態系の破壊が招いた典型的な災害であったと評価することができる。以上の主論文のほかに、八戸城下に居住していた安藤昌益の農本的あるいはエコロジカルな思想形成が、地域の飢饅・風土的環境と密接に関わっていたことを論じた論文、各藩が幕府に届け出た被害高である損毛高の算出根拠について検討した論文、鳥獣害の被害を食い止めるための鳥追いの労働が誰によって担われてきたのか明らかにした論文など、この間に作成し、報告書収録または別途論文として発表することができた。

報告書

(4件)
  • 2002 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] 菊池勇夫: "鳥追い労働の歴史的性格"宮城学院女子大学キリスト教文化研究所研究年報. 35号. 65-82 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 菊池勇夫: "天保四年の奥羽飢饉聞書について"宮城学院女子大学キリスト教文化研究所研究年報. 36号. 107-133 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Isao Kikuchi: "Guarding the Fields : Bird scaring Labor"Christianity and Culture, The Institute of Christian Culture Miyagi Gakuin Women's College. No.35. 65-82 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Isao Kikuchi: "The study of Accounts of the Famine in Northeastern Japan in 1833"Christianity and Culture. No.36. 107-133 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 菊地勇夫: "天保四年の奥羽飢饉開書について"宮城学院女子大学キリスト教文化研究所研究年報. 36号. 107-133 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 社会経済学史会編: "社会経済史学の課題と展望(執筆部分「徳川日本の飢饉対策」375〜385頁)"有斐閣. 529 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 菊池 勇夫: "鳥追い労働の歴史的性格"宮城学院女子大学 キリスト教文化研究所研究年報. 第35号. 65-82 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 菊池勇夫: "気候変動と飢饉-列島日本の歴史のなかで-"農林統計調査. 第51巻第1号. 10-14 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 菊池勇夫: "飢饉-飢えと食の日本史-"集英社. 210 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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