研究課題/領域番号 |
12610365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安田 二郎 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90036666)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 梁書 / 陳書 / 南史 / 許嵩 / 健康実録 / 唐王朝 / 歴史叙述 / 中国 / 唐 / 史学史 / 李延寿 / 姚思廉 / 梁書・陳書 / 南北史合注 / 建康実録 / 王気 / 帝都 |
研究概要 |
研究課題の一環として、許嵩撰『健康実録』(全二〇巻)に対して総合的な分析と考察を試みた。明らかにした主たる論点は、以下のごとくである。1.『健康実録』は、六朝史に関する基礎的知識も不十分な許崇が、基づく文献を精読することもなく、忽忽裏にあらわしたハサミとノリの編纂物にほかならず、しかも、構成上の調整も誤りの訂正も未遂行のままの、未完の稿本とこそ捉えられなければならない。2.各王朝の興亡は予じめ天によって決められているという定命論、それと密接に関連する、帝王を生み出す土地は固定していないという王気移動論が、全篇を貫ぬく根幹のパラダイムである。3.許嵩は、江陵を都とした後梁王朝を、王気が健康から去って長安へ帰着する天の定めの予兆として捉え、独自の意義を付与している。4.同書撰述の動機と目的は、玄宗に拮抗して即位した粛宗の正当性と、その即位の地たる霊武が、長安に代る唐王朝の新帝都たるべきを、王気移動論に基づいて主張することにあった。5.しかしながら、その主張に反して、至徳二載(757A.D.)年末、長安は帝都として再確定を見ることとなり、このため許嵩は、断筆を余儀なくされた。6.『健康実録』は、余りにも現代史に過ぎた歴史叙述にはかならず、自らが革新する思想をもって余りにも直哉に自己投企し、それ故に精神的に爆死せねばならなかった、唐代中期の一知識人許嵩の墓標という言い方も、決して的をはずしてはいない。
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