研究課題/領域番号 |
12610368
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
東洋史
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
辻 正博 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (30211379)
|
研究分担者 |
徳永 洋介 富山大学, 人文学部, 助教授 (10293276)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 唐律 / 流刑 / 編管 / 監獄制度 / 圜土 / 宋代史 / 労役刑 / 監獄 / 法制史 / 中国 / 沙門島 / 刑罰 / 敦煌文書 |
研究概要 |
本研究は、唐宋変革期に大きく変貌した刑罰制度について総合的な考察を行うことを目的とし、この時代に特徴的な刑罰たる強制移動刑と労役刑を研究対象とした。 1.唐代における流刑執行の実態解明 唐律では流人を郷里へ帰還させることが許されなかったにもかかわらず、実は、唐初から恩赦による流人放還の例が散見する。また、流刑の執行について、律では流人が配所に到着すれば執行完了とするが、当時の為政者にとっては、流人が配所に居住し続けることも刑の執行に含まれており、流人の監視は彼らの責任により行われていた。 2.宋代編管制度研究 編管制度に関する通説の修正を試みた。その結果、編管とは、罪人を帳簿上で管理することを本質とする刑罰であること(実際の監視は現場に委ねられるが、その対応はさまざま)、労役を伴わないこと、有期刑であること、罪人が強制移動される先は必ずしも遠隔地ではないこと、等を明らかにした。 3.宋代監獄制度の研究 北宋末に登場する圜土(刑徒収容施設)の刑制史的位置づけを試みた。従来の刑罰では対応できない凶悪犯をいかに社会から隔離するかという問題に対して、宋朝は、刑罰の厳罰化と罪人の物理的隔離の2本立てで臨んだ。ただ後者については設備その他解決困難な問題もあり、刑務所の形にまで高められることはなかった。 4.敦煌文書と日本の唐代法制史研究 20世紀初頭に発見された敦煌文書は、わが国の中国法制史研究の分野に大きな影響を与えた。文書の多くが欧州に持ち去られたため、研究者は大変な努力を払ってその閲覧し、抄写や撮影を行った。持ち帰られた資料は、研究者間で共有されたものも少なくない。1933年に『唐令拾遺』を発表した仁井田陞も、こうした資料共有の裨益を受けた一人である。彼が欧州に赴いて文書を実査するのは戦後であるが、それ以前にも、あらゆるチャンネルを使って熱心に関係資料を収集し、陸続と優れた成果を発表していったのである。
|