研究課題/領域番号 |
12610383
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 広島大学 (2002-2003) 弘前大学 (2000-2001) |
研究代表者 |
岩井 経男 (岩井 經男) 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (10113771)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 都市 / 地方 / イタリア / 中央 / ローマ / 帝国 / 皇帝 / 属州 / ポンペイ / 中央と地方 |
研究概要 |
本年度は、追加調査として、属州都市の様子を見ようとトルコのローマ都市を見学し、イタリア・ミラノにおける国際学会でこの科研費の研究の報告をした。以下はこの報告の要旨である。帝政初期後半、五賢帝時代のトライアーヌス帝以降、ローマはイタリア地方都市の自治に財政面で介入してくる。皇帝が任命するcurator rei publicaeの地方都市への派遣である。このような中央ローマの地方都市への介入が地方都市を衰退させ、さらにはローマ帝国を衰退させた原因である、と言われてきた。私はここで、時期を限定し、curator rei publicae出現以前、帝政初期前半の中央ローマとイタリア地方都市の関係を見てみた。イタリア地方都市は中央ローマの政治に係わることをやめ、自己完結的な目的、公共施設の建築に邁進した。この時期のイタリア地方都市における公共事業の多さがそのことを物語っている。すなわち、都市の外観をローマにまねて美化することに関心を集中させた。イタリア地方都市の多くは、この時期、建築ブームとなっていた。一方、中央ローマは、ローマの政治決定能力を一身に集中させ、その過程で政治的に高度化された皇帝の地位を巡る権力闘争に明け暮れることになる。この時期の第一級史料を提供するポンペイを例に取ると、都市は中央ローマに様々な形で接近を試みる。それは都市が中央ローマを単に公共事業の資金提供者としか見ていないのであって、中央ローマの政治に参加しようというのではなかった。
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