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アメリカ・ポピュリズムと自由労働イデオロギー

研究課題

研究課題/領域番号 12610390
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 西洋史
研究機関神戸大学

研究代表者

横山 良  神戸大学, 国際文化学部, 教授 (30127873)

研究期間 (年度) 2000 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワードポピュリズム / 労働騎士団 / グレンジ / グリーンバック運動 / 農民運動 / 労働運動 / アメリカ合衆国 / 農民同盟 / AFL / 土地改革運動 / 土地問題
研究概要

本研究の目的は、一貫して、南北戦争前に生じたいわゆる「自由労働イデオロギー」が、19世紀末の、農民を中心とし、労働者を巻き込んだポピュリスト運動の基調の一つを形成していたことを実証することにある。その際の着眼点は、自由労働イデオロギーが土地所有に基づく経済的・政治的独立を求める思潮であったことから、土地問題に関わる思想や運動が、南北戦争前から南北戦争後にかけてどのように継受されていったのかの解明にあった。
本研究代表者(横山良)は、この視角からの研究を深めるための方法論を模索し、その成果を「ロバートH・ウィービーの『転回』-追悼に代えて-」と「ウィービー史学における民主主義論の展開」の二つの論文において公表した。また、一方では、共著『アメリカ史を知るための60章』においては、第33章「工業の発展と巨大企業の出現-「世界の工場」の座へ」、第34章「労働運動・農民運動-自由労働イデオロギーの終焉」において当該時代についての概観的見通しを与えた。
そのうえで研究代表者は三度にわたりアメリカでの史料調査を行い、労働騎士団、AFLなどの労働運動とグレンジ、農民同盟など農民運動のそれぞれの側での土地問題への取り組みを示す史料を入手した。それを分析した結果を公表したものが、「ポピュリズムと土地問題-アメリカ・ポピュリズムの歴史的源泉-その(1)-」である。
そこで明らかにされた結論は、南北戦争後において土地問題(土地獲得の要求)に最も熱心に取り組んだのは、グレンジなどの農民運動組織ではなく、労働騎士団に代表される労働運動の側であり、その要求が農民同盟を通じてポピュリスト基本綱領ともいうべき「オマハ綱領」(1892年)に持ち込まれたとするものであった。この結論は、「オマハ綱領」の土地項目が農民側から出た要求であるとする通説を覆し、アメリカ19世紀民衆運動の持つ、労働者、農民をはじめとして、諸社会階層を混然と巻き込んだ階級横断的運動としての特質を確認するものであった。その意味で、ポピュリズムは、19世紀自由労働イデオロギーの最後の大規模な燃焼であったと言いうる。

報告書

(4件)
  • 2002 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] 横山 良: "ロバート・H・ウィービーの「転回」-追悼に代えて-"アメリカ史評論. 第19号. 1-4 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 横山 良: "ポピュリズムと土地問題-アメリカ・ポピュリズムの歴史的源泉-その(1)"近代. 第90号. 51-98 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 横山 良: "ウィービー史学における民主主義論の展開"アメリカ史評論. 第20号. 1-13 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 富田虎男他編著(第33, 34章分担執筆): "アメリカの歴史を知るための60章"明石書店. 268 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] YOKOYAMA, Ryo: "Robert H. Wiebe's Turning to Populist"American History Review. No. 19. 1-4 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] YOKOYAMA, Ryo: "Populism and Land Reform: The Origins of American Populism Part1"Modern Ages. No. 90. 51-98 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] YOKOYAMA, Ryo: "Robert H. Wiebe and Democracy"American History Review. No. 20. 1-13 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] TOMITA, Torao, and et al (eds.): "60 Chapters for Understanding American History, Co-author writing chapter 33, and 34"Akashi Shoten. 268 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 横山良: "ポピュリズムと土地問題-アメリカ・ポピュリズムの歴史的源泉-その(1)-"近代. 第90号. 51-98 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 横山良: "ウイービー史学における民主主義論の展開"アメリカ史評論. 第20号. 1-13 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 横 山 良: "ロバートH.ウィービーの「転回」-追悼に代えて-"アメリカ史評論. 第19号. 1-4 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 冨田虎男 他(編著): "アメリカの歴史を知るための60章"明石書店. 268 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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