研究課題/領域番号 |
12610402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
森原 隆 早稲田大学, 文学部, 教授 (70183663)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ジャーナリズム / 啓蒙思想 / 公共空間 / アンシャン・レジーム / 政治文化 / フランス革命 / ハーバーマス / 世論 / アンシャンレジーム / 社会文化史 / 文芸共和国 / ヴェルジェンヌ / 政治的公共性 / 絶対王政 / 社会史 |
研究概要 |
近世フランスの出版文化のなかで、特に新聞出版の文化を中心に、これに関連したジャーナリズム形成の問題を3年にわたって、検討した。まず国内の大学での史料調査、さらにフランスをはじめとする外国から近年の研究動向に関する文献の収集に努めた。 特に本研究成果報告論文では、1631年にテオフラスト・ルノドーにより創刊されたフランス最初の新聞『ガゼット』Gazette紙の出版文化を分析の対象とし、創刊時からフランス革命前夜にいたるまでの時期を通史的に捉えた。まず創刊については経緯・内容、購読の実態、王権との関わりなどを論じ、その後、厳しい出版統制の中における『サヴァン誌』、『メルキュール誌』などの雑誌の出現、ナント勅令の廃止、地方版の隆盛が、『ガゼット』に与えた影響について検討した。『ガゼット』は18世紀の半ばにルノドー一族の手を離れた後、1761年に国家の直接的な管理化(第一レジー期)に入り国家新聞となったが、軌道に乗らず、また1770年代のモープー時代における第二レジー期の改革も失敗に終わった。一方、この頃から、「ジュルナル・ポリティーク」と称する政治雑誌が登場し、批評や論評を旨とする新しいタイプの政治情報誌が台頭した。ルイ16世即位後においても、オベール管理下の『ガゼット』の停滞に比べ、C.-J.パンクックが推進する「ジュルナル・ポリティーク」が部数を伸ばし、『ガゼット』を凌駕したのである。この「ガゼット」から「ジュルナル・ポリティーク」への転換がいかなる意味や意義を有するのかを論じた。 このような新聞出版の文化と王権や政治機構との関係、また、読者公衆や公共圏・世論など近年注目されている諸問題についても検討し、別稿として「近世フランスにおける文化統合と文芸共和国」、「フランス・アンシャン・レジーム下の新聞とジャーナリズム」をこの研究期間に執筆した。
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