研究課題/領域番号 |
12610417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 札幌国際大学 |
研究代表者 |
深澤 百合子 札幌国際大学, 人文・社会学部, 教授 (90316282)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 北海道 / 東北 / 鉄 / 唐川城跡遺跡 / 浜大樹2遺跡 / 擦文 / 発掘 / 炉 / 十勝 / 金属 / 竪穴住居 / 砂金 / 発掘調査 / 十勝地方 / 東北地方 / 津軽地方 / 擦文文化 / オホーツク文化 / 北海道地方 / 擦文時代 / 鍛治炉 / 十勝太平洋岸 |
研究概要 |
本報告書は5章から成る。以下に各章ごとに概要を述べる。第1章は、本研究の目的と研究にいたる経緯などを述べ、研究地域選択に当り、事前調査の状況や自然環境を考慮したいきさつを概略した。東北、北海道の両地域において、鉄を軸にして文化的接触関係を解明しようと試みた研究であるため、広範囲な地域から、発掘調査地点を選択するのは難しいことであった。北海道では擦文時代の集落趾が海岸沿いに分布する状況から、十勝の太平洋側の両部海岸沿いの地域に注目し探査した。立地条件が適当と思われる大樹町のホロカヤントウ周辺の遺跡群に焦点を定め、予備調査を行った後、浜大樹2遺跡を発掘調査の対象とした。測量調査の後、竪穴住居1基のトレンチ調査を開始した(詳細は第2章)。東北地方では津軽半島の市浦村、十三湖の北側、岩木川の河口に位置する唐川城跡から発見された炉跡の発掘調査を行った。十三湖は日本海をめぐる交流の拠点としても重要な位置にあり、その後背地の岩木山山麓一帯は、鉄関連の炉跡が多く発見され、鉄生産の拠点と考えられる。東北北部の鉄技術の解明のためには重要な地域である(詳細は第3章)。第2章は、浜大樹2遺跡の測量調査、トレンチ発掘調査の結果について概略する。竪穴遺構は完掘されていないが、東北地方との接触関係のみならず、さらに北方の千島方面との接触関係をも考慮する必要のある事が判明した。今後、将来の継続調査を見通して、オホーツク文化の住居も混在しているのか検討の必要がある。住居内炭化物の同定を依頼した(詳細5章)。第3章は、唐川城跡遺跡の鉄関連炉の発掘調査について概略する。調査した炉は、精錬炉の可能性が大きい。炉の開口部炉底に、浅い皿状の窪みがあり、流出した生成物を炉底に受ける構造になっており、溶けた銑鉄を空気酸化によって脱炭するという操作が行われていたと考えられる。分析結果(詳細4章)からも銑鉄の流通に関係する生産活動が唐川城跡でも行われていたと考えることは十分可能なである。第4章は、唐川城跡出土の鉄滓、炉壁材の分析結果を示し、そこから炉の機能を推察し報告する。第5章は、浜大樹遺跡、唐川城跡両遺跡出土の炭化物の同定から北海道、東北の古環境の復元を試みた。
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