研究課題/領域番号 |
12610437
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国語学
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研究機関 | 大阪女子大学 |
研究代表者 |
乾 善彦 大阪女子大学, 人文社会学部, 教授 (30193569)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 宣命書き / 漢字仮名交じり / 和漢混淆文 / 平安遺文 / 擬似漢文 / 文体 / 変体漢文 / 『平安遺文』 / 問注文書 |
研究概要 |
正倉院文書にみえる部分的宣命書きの文章から漢字仮名交じり文への展開を史的に位置付ける目的の三ヵ年の本研究では、以下のことを明らかにした。 <擬似漢文の提唱> 文書資料の基本的文体であるいわゆる変体漢文は、一つの文体としての規範と個別の文体の多様性との二面性を持っている。これは中国語文を基調として日本語文を書き表わすための文体であり、これを漢文か和文かに分けるのではなく、漢文を目指した、漢文と日本語文との混淆文体という意味で「擬似漢文」とすることを提唱し、その観点から和漢混淆文の成立の基礎に「擬似漢文と宣命書きよる日本語要素の埋め込み」があるという見通しを得た。 <平安遺文の宣命書きならびに仮名書き資料> それを跡付けるための資料として『平安遺文』から宣命書きおよび仮名を含む文書を抽出し、資料として利用できるように整理分類を行い、研究報告の資料編を編纂した。これによって、平安時代文書を通してみた日本語の散文文体の成立を考えることが出来るようになった。 <日用文書と和漢混淆文> 文書世界という限られた場面ではあるが、その日常性を考えるならば、平家物語に代表されるような和漢混淆文の成立への視界が広がるものと考えられ、また、今昔物語集に代表されるような説話文体や、江談抄に代表されるような聞き書き資料との関係や、当時の口頭語との関係にまで広げ考える道筋が見通せるものとなった。
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