研究課題/領域番号 |
12610477
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
宮本 陽一郎 筑波大学, 文芸・言語学系, 助教授 (70166205)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ポストモダニズム / 冷戦 / 精神病理学 / ショック療法 / OSS / 1950年代 / ドロシア・ラング / アメリカ / フィルム・ノワール / SFホラー映画 / スペクタクル映画 / アメリカ文学 / ヘミングウェイ / フォークナー / サリンジャー / 犯罪心理学 / 非行少年小説 |
研究概要 |
本研究では、第2次世界大戦から1950年代末に至る、アメリカの文学と文化にみられるポストモダニズムの生成および変成のプロセスを、カルチュラル・スタディーズの手法を用いて考察し、下記のような成果をあげることができた。 1.「失われた世代」の作家たちの1950年代 ヘミングウェイとフォークナーは、メディア及び政府期間の積極的関与により、冷戦期に世界的名声を獲得する。彼らの文学作品と冷戦期の文化の政治に関する考察は、2003年にケント州立大学出版より刊行される論文集Hemigway and Cubaに掲載されるほか、2002年にイタリアで開催された国際ヘミングウェイ学会での口頭発表、『フォークナー』誌の掲載論文において公開した。 2.諜報文化とポストモダニズム 第二次大戦中のOSSから戦後のCIAに引き継がれる諜報文化は、ポストモダニズムの知の編成全体に大きな影響を与えたものであることが、合衆国における資料調査によって明らかになった。この成果は論文「ショック両方時代の文学と文化」として公表した。 3.精神病理学とポストモダンな主体 論文「クレイジオロジー」において精神病理学が、冷戦初期の知の枠組みとして機能していることを明らかにした。この論文では精神病理学者で、ファシストと青少年犯罪者の精神分析に関わったロバート・リンドナーの残した文学作品に焦点を当てたが、この視座から1950年代の主要な文学作品についての考察を今後順次発表する。 4.冷戦とアメリカン・ナラティヴ 研究期間中に起こった「9月11日」事件とその後のアメリカの軍事行動は、アメリカ研究に新たな課題をもたらした。冷戦初期における国民的記憶の再編については、同期の騎兵隊映画と戦争映画の分析を行い、この成果は2003年5月のアメリカ学会で発表する。
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