研究課題/領域番号 |
12610487
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
金山 亮太 新潟大学, 人文学部, 助教授 (70224590)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ヴィクトリア朝文学 / 大衆娯楽 / 舞台装置 / ヴィクトリア朝文化 / 大衆演劇 / 近代的劇場装置 / 英国の民衆娯楽 / ヴィクトリア朝演劇 / 英国民衆娯楽 |
研究概要 |
本研究は1998年度から99年度にかけて科学研究費補助金(奨励研究A)の交付を受けた「19世紀英国大衆演劇とその成立背景についての研究」を更に発展させたものである。今回の研究において明らかになったことは以下の三つである。一九世紀を通じて増加する一方であった観客を収容するために劇場が増改築される際に、産業革命の恩恵を受けて入手が容易になりつつあった鉄骨が構造材に組み込まれるようになり、結果的に十分な人数を収容できる強度を持つ劇場が、あまり敷地の広くない場所でも建築可能になったという点。もう一つは、そのような劇場構造の変化に合わせて観客席の構成にも変化が生じ、二階、三階に比較的廉価な席が従来以上に用意された点。そして、このような劇場並びに観客構成の変化に合わせて、ガスや電気による照明や舞台装置が生み出す「スペクタクル」とでも称すべき華々しい舞台が現出したという点。このような変化の後、観客層はその好みに応じて再編成されていき、ミュージック・ホールに足を運ぶ中間的な観客層と、より大規模でセンセーショナルな「舞台」を見たがる観客層と、小規模ながらもしっかりとした内容のなる「演劇」を見たがる観客層とに分裂していくことになる。 研究成果としては報告書に論文3本を収録した。今回の研究の問題意識を整理するという意味合いを持つ1本目と、劇場構造、観客席、舞台装置の変化についてまとめた2本目、そして具体的な作品の上演形態にまで考察を及ぼした3本目は、段階的に書くことを意図したものではあるが、重複した記述や曖昧さが残る表現など、訂正すべき点が多い。また、当時の実際の舞台装置の使われ方を見聞したわけではない以上、どうしても推測でしか書けない部分があったことも事実である。このような問題点を踏まえ、今後の研究を更に発展させたいと祈念している。
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