• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

イギリスのカトリック知識人と中世主義

研究課題

研究課題/領域番号 12610492
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 英語・英米文学
研究機関神戸大学

研究代表者

野谷 啓二  神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (80164698)

研究期間 (年度) 2000 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワードカトリシズム / 中世主義 / ディストリビューティズム / T.S.エリオット / H.ベロック / エリック・ギル / レールム・ノヴァールム / St. Dominic's Press / Distributism / グレアム・グリーン / ベロック / 宗教改革
研究概要

イングランドにおけるカトリシズムは、16世紀の国民国家の建設と密接に結びついた宗教改革によってマイノリティの立場に貶められたが、1829年のカトリック教徒解放令によって政治的差別が撤廃され、さらに1850年に司教区が再設置されると、20世紀前半にかけてはエスタブリッシュメントの批判勢力として、その存在を主張できるまでにその勢力を復活させた。産業革命による都市化と工業化から発生した社会問題と、進化論をはじめとする科学偏重主義の波に洗われ、伝統的なキリスト教の価値観に基づいた人間性の理解が崩され、結果として人生の質が大きく悪化していく現実に警告を発したのである。
資本主義のエトスを創出したのがプロテスタンティズム、なかんずくピューリタニズムの信仰であったとすると、ようやく信仰の自由を認められたカトリック知識人たちは、近代の流れを逆行するかのように、宗教改革以前の、すなわちヨーロッパがまだカトリック教会を中心に一つのクリスンダムを構成していた時代に、近代資本主義社会の病弊を癒すための処方箋を求めた。本研究は、思想史的な流れとしては、中世に憧憬を感じたロマン主義運動の中に包摂できる、こうしたカトリックの中世主義者の中世主義イデオロギーを考察した。従来、ヨーロッパに共通する基盤文化を形成したカトリシズムを積極的に評価したカトリックの文学者、思想家について、中世主義の視点からはほとんど研究されてこなかった。
本研究では、「保守的急進主義者」とも呼ぶべきG.K.チェスタトン、H.ベロックの反産業資本主義、反国家資本主義の思想であるDistributism(所有権分配主義)、また、これを実践したエリック・ギルについて、さらには、T.S.エリオットと、彼が『異神を追うて』のなかで言及したアレン・テイトをはじめとするアメリカ南部の知識人たちが唱えた土地均分論(Agrarianism)との関係について研究を行った。

報告書

(4件)
  • 2002 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 野谷啓二: "ヒレア・ベロックの『奴隷国家』とカトリックのイングランド史観"Kobe Miscellany. 26. 79-91 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 野谷啓二: "エリック・ギル-あるいは主の歌を異邦の地で歌うこと"Kobe Miscellany. 28. 47-63 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 野谷啓二: "「死者の大いなる群住むかの境」とのコミュニオン-T.S.エリオットの『異神を追いて』を読む"研究社(『伝統と革新』所収). 257-275 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] NOTANI, Kenji: "H. Belloc's Servile State and Catholic View of English History"Kobe Miscellany. 26. 79-91 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] NOTANI, Kenji: "Eric Gill or to Sing the Lord's Song in a Strange Land"Kobe Miscellany. 28. 47-63 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] NOTANI, Kenji: "To Read T.S.Eliot's After Strange Gods - the Communion with the Region Where Dwell the Vast Hosts of the Dead, in Tradition and Innovation"Kenkyusha. 257-275 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 野谷 啓二: "エリック・ギル-あるいは主の歌を異邦の地で歌うこと"Kobe Miscellany. No.28. 47-63 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 野谷 啓二: "『情事の終わり』における摂理のドラマ"Kobe Miscellany. No.27. 47-61 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 野谷啓二: "『伝統と革新』所収、「死者の大いなる群れ住むかの境」とのコミュニオン-T.S.エリオットの『異神を追いて』を読む"研究社(未定). (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 野谷啓二: "ヒレア・ベロックの『奴隷国家』とカトリックのイングランド史観"Kobe Miscellany. No.26. 79-91 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] サイクス,ノーマン: "イングランド文化と宗教伝統"開文社. 282 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

URL: 

公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi