研究課題/領域番号 |
12610526
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
仏語・仏文学
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研究機関 | 京都市立芸術大学 |
研究代表者 |
柏木 加代子 京都市立芸術大学, 美術学部, 教授 (10128689)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | フロベール / 演劇 / 日欧文化 / 歌舞伎 / ジャポニスム / 『心臓の城』 / 『ル・カンディダ』 / コラージュ / ジャポニズム / 心臓の城 / ル・カンディダ / 写実主義 / 象徴主義 / 日仏文化交流 / アントワヌの「自由劇場」 / 19世紀末演劇 / ダダ・シュールレアリスム / クロベール / 『ブヴァールとペキュシェ』 / ピエール・バルブトー / 『ラ・フォンテーヌ寓話抄』 / 明治日本画壇 / シャガール / 絵画技法・コラージュ / 土田麦僊 / パリ万国博覧会 / 「パリの少女」 / 「〓〓林泉図」 |
研究概要 |
平成15年度はフロベールの20世紀初頭芸術への影響を日本文化も含めた国際的な視野で考察した。明治維新(1867年)にフランスに紹介された歌舞伎<芝居>特有の「花道」や「回り舞台」などは、当時のフランス文壇がレアリスムに傾倒していたことからレアリスム表現として評価されたという。殺戮や暴力シーンが舞台裏で行われてきたフランス古典劇に慣れ親しんだフランス人には歌舞伎の技法が新鮮に映ったのだろう。フロベール存命中の1870年出版のLe Japan illustree(en 2 vols)が日本に関しての最初のテクストである。フロベールのレアリスム考察に東洋思想が影響していたのかどうかは議論しなければならないが、少なくとも初稿『聖アントワーヌの誘惑』にもあるように、<舞台裏と舞台>といった戯曲の基本理念において、フロベールは真のレアリスムのあり方を試行錯誤していたことは明白で、当時の日本趣味の影響をそこに見いだすことも可能である。1878年の万国博事務官長前田正名の原作で「忠臣蔵」を手本とした劇『ヤマト』(1879年2脚日初演)。がゲイテ劇場で上演されているが、パリの劇場にしばしば通っていたフロベールがこうした時代の潮流とは無関係であったとは考えにくい。フロベールの沈黙指向はまさに歌舞伎の<見得>に呼応する舞台技法であって、役者が含蓄の深い目立った表情・動作をしてみせ、観客が拍手を惜しまない沈黙の一瞬である。フロベールにとっての「演劇創作時代」である1870年代に日本趣味がパリの演劇界を賑わしていたことは注目に値する。
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