研究課題/領域番号 |
12610527
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
仏語・仏文学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
谷 昌親 早稲田大学, 法学部, 教授 (90197517)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | モダニズム / ダダ / シュルレアリスム / エキゾティシズム / 無意識 / 身体性 / レーモン・ルーセル / アルチュール・クラヴァン / ミシェル・レリス |
研究概要 |
本研究を構成する5つの柱に則して、平成12年度〜平成14年度の成果を以下にまとめる。 1.レーモン・ルーセル研究-『アフリカの印象』における挿絵から出発して、活人画、写真、映画と比較しつつ、ルーセルの作品に頻出する停止した運動のイメージに焦点を絞り、それが彼独特の死と再生のテーマにかかわっていた可能性を検討して、仏語の論文にまとめた。 2.アルチュール・クラヴァン研究-これまで謎に包まれてきたこのダダの先駆者アルチュール・クラヴァンについての調査を一冊にまとめた。同書では、クラヴァンの周辺の動きについても取上げたので、20世紀初頭のモダニズムを見通す試みにもなったはずである。 3.ミシェル・レリス研究-モダニズムにこだわりつづけたレリスにおける「現代性」の問題を、彼独特のリアリズムとも関連づけつつ、presenceという概念のあり方を中心に検討した。また、民族学にも携わっていたレリスにとって、モダニズムは必然的にエキゾティシズムとも関係してくる点に注目し、とりわけ憑依の問題などについての研究を進めつつある。 4.ダダ・シュルレアリスム研究-日常生活において無用なものとして棄てられた廃物を新たな意味の網目のなかに拾いあげるという観点から眺めるとき、ベンヤミンとシュルレアリスムの類似点が見えてくる。これは無意識の問題とも関係するわけだが、その点で、無意識をもたらす装置とベンヤミンが見なした写真や映画は、当然ながら、ダダやシュルレアリスムと深い関係にある。 5.20世紀文化・社会・思想研究-われわれの問題意識のなかで、モダニズムはエキゾティシズムとの密接な関係を呈してきている。これは、一方でポスト・コロニアリズムの問題につながるとともに、「外の思考」とも絡まり、「無意識」や「身体牲」といった理性的主体にとっての一種のエキゾティシズムを20世紀の視覚芸術のうちに探る試みへとわれわれを誘った。
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