研究課題/領域番号 |
12610531
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
独語・独文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
重藤 実 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (80126078)
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研究分担者 |
藤縄 康弘 愛媛大学, 法文学部, 助教授 (60253291)
清野 智昭 千葉大学, 外国語センター, 助教授 (10226623)
幸田 薫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30126776)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 文法カテゴリー / 品詞 / 伝統文法 / 生成文法 / 言語類型論 / プロトタイプ / ドイツ語史 / Xバー理論 |
研究概要 |
伝統的なドイツ語文法記述においては、ラテン語文法の影響により、10品詞が用いられていた。分類基準が明確でないことなど、この分類には問題があるのだが、この伝統は、特に学校文法においては、20世紀中頃まで続いていたことが確認できた。 しかし学術的なドイツ語記述においては、すでに構造主義言語学の時代から、品詞分類の基準を明確にして、独自の品詞分類を提案した文法が多く見られる。 生成文法研究は、素性により品詞を定義してさまざまな品詞の間の関係を明確化したことにより、品詞に限らずさまざまな文法カテゴリーを素性に基づいて統一的に記述することを可能にした。また言語類型論は、さまざまな点で言語に見られる多様性を明らかにしたが、その品詞論は、表面的な多様性に潜む類型を明らかにすることには、必ずしも成功しているとは言えない。 認知言語学におけるカテゴリー観の特徴は、プロトタイプ理論にある。このプロトタイプ理論は、話し手の直感を重視したものであり、ドイツ語教育などに大きな影響を与える可能性がある。しかし認知言語学はまだ新しい理論なので、この理論に基づくドイツ語文法記述はまだ少なく、具体的なドイツ語文法記述にどの程度成功するか、今後の展開を見守る必要がある。 ドイツ語史の記述においては、今でもラテン語文法の影響が見られる。しかし各時代におけるドイツ語の特徴に基づいて柔軟にカテゴリーを用いる文法記述も現れ始めており、今後の発展が期待される。 ドイツ語自体の変化とドイツ語文法におけるカテゴリー観の変化の相関関係については、今回の研究では結論を得ることはできなかった。今後の研究課題としたい。
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