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20世紀ドイツ文学におけるエロスとナショナリズム

研究課題

研究課題/領域番号 12610532
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 独語・独文学
研究機関京都大学

研究代表者

奥田 敏広  京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (60194495)

研究期間 (年度) 2000 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードエロス / ナショナリズム / トーマス・マン / クラウス・マン / 青年運動 / バッハオーフェン / ボイムラー / 母権論 / ヨセフ / ディオニュソス / ロマン主義 / フリードリヒ2世 / 同性愛 / ナチズム / 実証的文学研究 / 亡命文学 / 表象 / グスタフ・ヴィネケン / ヴァンダーフォーゲル
研究概要

体系的研究の少ないエロスとナショナリズムの繋がりという問題を、ナショナリズムを、権力や支配、抑圧という政治・経済的な現象としてのみならず、美学的現象としても捉えることによって考察する本研究は、そもそもその視点の独自性において貴重なものであるが、その成果は以下の3点に要約できる。
まず、論文『ドイツ青年運動におけるエロスと教育』においては、今日では忘れられた運動の理論家たちの言説を、グスタフ・ヴィネケンを中心に丁寧に掘り起こすことによって、「共同体」を志向する男性同性愛賛美者として反動的であると同時に革命的でもあったかれらのアンビバレントな実態を明らかにしている。
次に、同性愛者にしてラディカルな反ファシズム亡命作家であったクラウス・マンの代表作『火山』を綿密に分析することによって、かれのエロスとナショナリズム観を考察した。すなわち、『火山』は、「闘争」における狭い意味での政治的・社会的問題を扱うリアリズム小説という従来の一般的評価の枠に留まる作品ではないが、かといって、一部の研究者が主張するような、もっぱら「死とエロスの不可分性」をテーマとする非政治的でロマン主義的な作品でもない。それは、まさに政治的・社会的問題と個人的・審美的問題の関連そのものをテーマとする小説であることを示した。
最後は、そのクラウスの評論『ナチズムと同性愛』のオリジナル原稿へのトーマス・マンの書込みという資料の信憑性と重要性、および後者の未完の「フリードリヒ小説構想」を考察し、今世紀を代表するドイツのノーベル賞作家の危険を孕んだ大胆なエロスとナショナリズム観、すなわち「創造性」の根源としての両者の関連を検討した。

報告書

(5件)
  • 2003 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] 奥田 敏広: "ドイツ青年運動におけるエロスと教育"ドイツ文学研究(京都大学総合人間学部ドイツ語部会). 46. 29-53 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 奥田 敏広: "クラウス・マンの亡命小説『火山』におけるエロスと暴力"ドイツ文学研究(京都大学総合人間学部ドイツ語部会). 47. 31-69 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 奥田 敏広: "トーマス・マンの『フリードリヒ』小説構想について"ゲルマニスティック京都(日本独文学会京都支部). 4. 19-37 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Okuda, Toshihiro.: "Eros and Education in German Youthmovement. -On Gustav Wyneken"German Branch of Faculty of Integrated Human studies, Kyoto University Doitsbungaku'. Vol.46. 29-53 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Okuda, Toshihiro.: "Eros and Violence in the Exilenovel 'The Volcano' of Klaus Mann."German Branch of Faculty of Integrated Human studies, Kyoto University Doitsbungaku. Vol.47. 31-69 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Okuda, Toshihiro.: "On the Novel-conception 'Friedrich' of Thomas Mann."Kyoto Branch of Japanese Sciety of Germanists Germanistik Kyoto. Vol.4. 19-37 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 奥田 敏広: "トーマス・マンの『フリードリヒ』小説構想について"Germanistik Kyoto. 4号(発表予定). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 奥田 敏広: "クラウス・マンの亡命小説『火山』におけるエロスと暴力"京都大学総合人間学部ドイツ語部会「ドイツ文学研究」. 47. (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 奥田敏広: "ドイツ青年運動におけるエロスと教育"京都大学総合人間学部ドイツ語部会「ドイツ文学研究」. 46. 29-53 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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