研究課題/領域番号 |
12610540
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
独語・独文学
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
原 克 立教大, 文学部, 教授 (40156477)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 近代化 / 死体公示所 / ベルリン研究 / 公衆衛生 / 死体安置所 / 都市論 / ディスクール分析 / 生前埋葬 |
研究概要 |
本研究の目的は、都市技術・社会衛生学という視点からバイオ権力の発動の場としての都市空間ベルリンの諸相を研究すること。それとの関連で、ベルリンと他の都市との間に形成された都市技術をめぐる情報ネットワークをディスクール分析することであった。墓地・埋葬形式・公衆衛生というテーマと隣接した都市現象のフィールドに視点を拡大し、言説・表象の近代化プロセスをより体系的に検討することをめざすため、具体的には、第一に、ベルリンにおける公衆衛生問題の典型として、<死体公示所><食肉加工所><ミルクと中央衛生局><ガス供給システム><給水塔>といった都市現象を選び、1840年から1945年までの期間において、それぞれ(a)数値的、空間的変容、(b)法的、行政的規制、(c)文化的慣習、(d)宗教的、経済的付加価値、(e)メディアによる伝達のされ方、(f)そうした情報が、同時代の生命観・衛生観をめぐるディスクールヘのフィードバックのされ方を体系的に追った。そうすることで、数値的な具体的データが、ついには理念的あるいは文化的無意識のレベルに吸引されていくダイナミズムをさぐるのを目的とした。 とりわけ初年度の本年は<死体公示所>を中心的に扱った。その結果、わけても近代的な公衆衛生概念が成立してくる契機として、衛生問題をもっぱら個人レベルで取り扱う、いわば近代初期の個人的衛生概念との比較検討が重要であることが判明してきた。その具体的アイテムは<死体安置所>である。生前埋葬、死の到来の確定といった従来の死をめぐる個人的な問題群が、公衆衛生のタームに変換されてゆく過程を浮かび上がらせることができた。 さらに、こうした衛生概念の変容が、狭義の専門的言説として存在していたばかりでなく、同時代のさまざまな言説と連動しあって、価値のネットワークとして機能している様子を、教養市民層をターゲットにした「百科事典」あるいは「小説」といった各種出版物を広範に検索してディスクール分析を行った。以上の結果の一端を、論文紀要に発表するとともに、『國文學』誌を通じて広く一般読者にも発表還元した。
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