研究課題/領域番号 |
12610546
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
その他外国語・外国文学
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研究機関 | 大阪外国語大学 |
研究代表者 |
岸田 文隆 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (30251870)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 朝鮮語学書 / アストン / 交隣須知 / 隣語大方 / 漂民対話 / 対馬 / 苗代川 |
研究概要 |
4年間にわたる本研究においては、ロシア東方学研究所に所蔵されるアストン蒐集朝鮮語学書写本類をこの方面の研究者が広く利用できる形で提供するための研究・整理と影印刊行に向けての準備を実施した。まず、アストン蒐集本の「交隣須知」と「漂民対話」のデータベース(デジタル化ファイル)を作成・点検し、完成させた。このデータベースは、今後、この資料の用例検索など、コンピュータを利用した研究をおこなう際に有用であると思われる。次に、江戸期朝鮮語学書に関する成立論的研究として、資料相互間の影響関係をさぐるため、「交隣須知」「漂民対話」「隣語大方」等の比較対照作業を実施した。その結果、「漂民対話」には、「隣語大方」など対馬由来の朝鮮語学書の一部を取り入れて換骨奪胎した部分があることが確認された。この事実は従来この方面の研究において気づかれていなかった点で、「漂民対話」の資料的性格を解明するひとつの手がかりを与えるものと考えられる。さらに、江戸期対馬の朝鮮語学書が生み出される語学的背景・基盤に関する調査として、韓国国史編纂委員会に所蔵される対馬宗家文書の古文書類を調査し、ハングル、漢字借字表記、かな等で表記された朝鮮語資料をひとつひとつ洗い出す作業を実施した。この作業は、あいにく完了はしなかった(全1万余件のうち7千件ほど調査し終えた)が、江戸期対馬の朝鮮語学書の性格を考えるうえでも、また、この時期の新たな朝鮮語資料を発掘するうえでも、重要な作業である。今後もこの作業は継続しておこないたいと思う。最後に、過去4年間にわたる本研究のまとめとして、各資料(「漂民対話」「交隣須知」、「隣語大方」)の解題を執筆した。この資料解題と資料影印とを合わせて、今年度韓国の弘文閣書店から影印刊行をおこなう予定である。
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