研究課題/領域番号 |
12610551
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
御園生 保子 東京農工大学, 留学生センター, 教授 (00209777)
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研究分担者 |
深尾 百合子 東京農工大学, 留学生センター, 教授 (90272640)
越前谷 明子 東京農工大学, 留学生センター, 教授 (30213549)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 文末形式 / ピッチパタン / 用法 / 解釈 / 上昇調 / 下降調 / 上昇 / 下降 / 文脈 |
研究概要 |
本年度実施計画の項目について以下の成果が得られている。 ピッチパタンによって分節的な成分の意味上の曖昧さが解消される文末形式として、否定のジャナイと文末詞のジャナイを取り上げた。 訓練を受けた話者と4人の東京方言話者による録音資料から、スキジャナイの否定・下降調、否定疑問・上昇調、文末詞・下降調、文末詞・上昇調、計37個を選び刺激として、試聴実験を行った。被験者は「文脈なし」の条件で当該刺激の用法を、(1)否定=好きじゃない、(2)肯定=好きだ、(3)肯否疑問文=好きじゃないか、嫌いか、(4)念押し・確認の中から判定した。 試聴実験と刺激の音響分析の結果は以下のとおりである。 1.下降調では、否定・下降調と文末詞・下降調は、ピッチパタンに類型的な差が見られる。 2.否定・下降調の刺激に対しては<否定>の解釈が範疇的に対応している。 3.文末詞下降調に対する判定は<念押し・確認>70%が多く、<肯定>24%がそれに次ぐ。 4.上昇調では、否定・上昇調と文末詞・上昇調に、全体としては類型的なピッチパタンの差は見られない。ただし、否定疑問・上昇調として発話された4個の刺激は文末部で「ナ↑↓イ↑」とナで上昇してから下降・上昇する特微的なピッチパタンがあり、それに対しては<y-n疑問文>の判定が平均85%あった。 5.上昇調の全刺激に対する判定は<y-n疑問文>50%、<念押し・確認>38%で、<肯定>が10%ある。 6.文末詞・下降調および否定・文末詞上昇調の刺激に対する判定は、被験者間で差が見られ、ピッチパタンと単純に対応していない。 7.ピッチパタンと判定の対応が単純な被験者と複雑な被験者がある。判定パタンが単純な被験者は文末詞下降調を<念押し確認>、上昇調を<y-n疑問文><念押し・確認>とした。複雑な被験者は文末詞下降調に<肯定><念押し・確認>、上昇調に3種以上の判定をしている。 6、7のピッチパタンの意図解釈における被験者間の個人差は従来指摘されていない。
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