研究課題/領域番号 |
12610559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
板橋 義三 九州大学, 留学生センター, 助教授 (50212981)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 樺太アイヌ語 / 北海道アイヌ語 / 母音の長短 / ピッチアクセント / アイヌ祖語 / 母音の高低 / 音節 / 拍 / 音韻レベル / 高さアクセント / 母音の長短と高さアクセントの対応 |
研究概要 |
これまで樺太アイヌ語のアクセントや母音の長さに関する文献、特に論文や報告書などできる限り収集し判断材料にした。樺太アイヌ語の母音の長さのほかに母音の高低が音韻レベルで関係していないかどうかを確認するため、音声解析ソフトで樺太アイヌ語音声資料を分析することも試みた。この分析から樺太アイヌ語においては母音の長い拍が必ずしも高いわけではなく、またその逆の低い拍が短いわけでもないようである。また樺太アイヌ語の母音の長さに関しては従来言われてきたように、母音の長短が音韻レベルの要素であり重要であることを再確認している。それに対し樺太アイヌ語では単語の母音の高低は文中では変化し、音韻レベルの変化ではなく、音声レベルの変化であると考えられる。今回作成した音声解析資料からは、樺太アイヌ語の母音の高低と北海道アイヌ語の母音の高低の関連がよくみられなかった。 結論としてはある特定の環境において樺太アイヌ語の母音の長短と北海道アイヌ語の母音の高低は概ね対応し、アイヌ祖語の音韻レベルの弁別性は母音の長短のみである。それはアイヌ祖語の音節パターンを復元する際に必要充分条件として母音の長短のみが問題となり、高さアクセントは母音の長さが決定されれば、自動的に決定され論理的に樺太アイヌ語と北海道アイヌ語への変遷を説明することができるからである。
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