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国民帝国としての近代日本国家の統治システムの展開とその法政理論に関する総合的分析

研究課題

研究課題/領域番号 12620079
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 政治学
研究機関京都大学

研究代表者

山室 信一  京都大学, 人文科学研究所, 教授 (10114703)

研究期間 (年度) 2000 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード国民帝国 / 植民地統治 / 複合国家 / 異法域結合 / 思想連鎖 / 植民地統合 / 異法域統合 / 満州帝国
研究概要

明治国家は、欧米からの思想連鎖によって国民国家形成を進めた。しかし、そこでは国民国家としては幼体成熟ともいえる形で植民地領有国家すなわち帝国へと転化していった。しかしながら、これまでの日本のみならず欧米における政治学研究においても、この二重性をもった国家に関しての理論研究は、皆無であるような状況にある。
こうした理論状況に鑑みて、本研究は植民地を有するに至った近代日本の統治システムが総体としていかなるものであったのかを史料的・理論的に整理し体系化することによって「国民帝国」という概念を新たに提起すべく、歴史的ならびに理論的に究明してきた。同時に、それによって明治国家の世界史的位相について新たな意味付けを行うとの目的をもって出発し、ウェストファリア体制以降の国際体系のなかにあった日本の近代国家としての二重性をもった国制的性格と法政理論の特徴について明らかにするという課題の下に史料的蒐集と論理的精緻化を図ってきた。
ここで国民帝国とは「主権国家体系の下で国民国家の形態を採る本国と異民族・遠隔支配地域から成る複数の政治空間を統合していく統治形態である」と定義した。そのうえで、国民帝国とは(1)世界帝国と国民国家の拡張でありつつ、各々がその否定として現れる矛盾と双面性を持ち、(2)その形成・推進基盤が私的経営体からナショナルなものに転化し、(3)世界体系としては、多数の帝国が同時性をもって争いつつ手を結ぶという競存体制とならざるをえず、(4)その本国と支配地域とが格差原理と統合原理に基づく異法域結合として存在するものである、という4つのテーゼに収斂するものであることを提起した。今後は、王朝家産帝国の崩壊から国民国家が形成されたと見なされてきた中国が、むしろ家産帝国性を残したまま国民国家となったという意味で、日本とは逆方向での国民帝国となったのではないかという仮説を論証していきたい。

報告書

(5件)
  • 2003 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件) 文献書誌 (13件)

  • [雑誌論文] Supplement edition : Chimera-A portrait of Manchukuo2004

    • 著者名/発表者名
      Shinichi Yamamuro
    • 雑誌名

      Chuoukouronnshinsha

      ページ: 428-428

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [図書] 増補版・キメラ - 満洲国の肖像2004

    • 著者名/発表者名
      山室信一
    • 総ページ数
      428
    • 出版者
      中央公論新社
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 山室 信一: "「国民帝国」論の射程"帝国の研究(山本有造編)(名古屋大学出版会). 87-128 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 山室 信一: "キリング・フィールドからパックス・アシアーナへ"アジア新世紀・8巻-構想(岩波書店). 232-243 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 山室 信一: "未来への回憶-他者認識と価値創出への視点"国際文化会館 会報. 14-2. 1-22 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 山室 信一: "〓〓〓〓 〓〓〓 〓〓〓(多にして一のアジア)"〓〓(Changbi Publishers)、韓国(ソウル). 207 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 山室 信一: "空間アジアをめぐる認識の拡張と変容"アジア新世紀(岩波書店). 1. 29-56 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 山室 信一: "満州・満州国をいかに捉えるべきか"環. 10. 40-55 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 山室 信一: "戦後日本的中国認識基軸的転移"戦後日本的社会思潮与中日関係(〓旦大学). 13-19 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 山室 信一: "近代東アジア世界の形成と思想連鎖"東洋史苑(龍谷大学). 57. 1-32 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 山室 信一: "近代日本的東北亜区域秩序構想"中央研究院東北亜区域 研究演講系列(台北). 4. 1-30 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 山室 信一: "帝国と民族"『20世紀の定義・4』岩波書店. 19-34 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 山室 信一: "思想課題としてのアジア"岩波書店. 846 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Shin ichi YAMAMURO: "Form and Function of the Meiji State in Modern East Asia"ZINBUN. 34-1. 179-196 (1999)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 山室信一,古屋哲夫 編: "近代日本における東アジア問題"吉川弘文館. 307 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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