研究課題/領域番号 |
12620093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
羽場 久み子 法政大学, 社会学部, 教授 (70147007)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | EUの東方拡大 / グローバリゼーション / EUの境界線 / ハンガリー / マイノリティ / 移民 / セイフティ・ネット / NATOの拡大 / 欧州拡大 / 民族・地域紛争 / シェンゲンの壁 / 右翼・ナショナリズムの成長 / 冷戦の終焉 / 社会主義体制の終焉 / 中欧 / EU拡大 / NATO拡大 / ナショナリズム / 地域 / 民主化 / EU / 東方拡大 |
研究概要 |
3年間の本研究では、EUの東方拡大の過程で、中・東欧がいかなる政治的・社会的変容を遂げたか、現在抱えている主要な問題は何かを、(1)コソヴォ空爆後のマイノリティとセイフティ・ネット、(2)EU境界線上の民族およびハンガリーを中心とする中欧の民主化の実態、(3)グローバリゼーションと欧州拡大がもたらす諸問題と、EUの境界線の外に住む民族の統合と分断の実態、アジアとヨーロッパの共同、などの観点から多面的に検討してきた。 <1.平成12年度>1年目は、1994-96年のイギリス、ハンガリーへの留学・調査研究を踏まえながら、その成果として、(1)「NATOの東方拡大とコソヴォ空爆」について資料分析に基づき日本国際政治学会で報告、(2)7月にはフィンランドで開かれたスラブ東欧世界大会で「中東欧のセイフティ・ネットと地域協力」について分析・報告、(3)8月にはノルウェーで開かれた国際関係史学会で「グローバリゼーションと地域主義:NATOの拡大と民族問題」について調査報告した。(4)加えて8月にはハンガリー人マイノリティの大会に参加し、EUの境界線上で地域格差や貧富の格差に苦しむマイノリティの実態について情報を収集した。(5)11月の法政での国際会議では、これまでの調査を元に、EUとNATOの拡大と中欧政治に関する報告を行った。 <2.平成13年度>2年目は、(1)ユーゴスラヴィアとマケドニアで進行する民族対立について、「中東欧とユーゴスラヴィア」と題する論文にまとめた。(2)また1年目にEU拡大に関して行った共同研究の成果を編著『ヨーロッパ統合のゆくえ』として刊行し、1)EU・NATOの拡大の中で東西の格差が政治・経済問題として噴出していること、2)特にEU境界線上の民族に貧富の格差と移民の流出、などの多くの弊害をもたらしていることを立証した。この視点は、(3)「EUの壁、シェンゲンの壁」でも拡大とマイノリティの問題として立証した。 <3.平成14年度>3年目は、まとめの年として、学会での報告、夏の調査研究、論文・著書の執筆と刊行に没頭した。(1)まずISAの国際会議で報告したユーゴスラヴィアの民族問題に関する分析を英文でまとめた。(2)次いで『グローバリゼーションと欧州拡大』で体制転換後のEU・NATO拡大と民主化の問題点を整理した。(3)さらに12年に法政大学で世界各国から著名な専門家を集めて行った『EU拡大と日本経済の役割』(英文)に関する著書を刊行した。(4)また体制転換後のハンガリーを歴史・政治・経済・社会・文化など多方面から分析した『ハンガリーを知る47章』を27人の執筆者の編著として刊行した。加えて国際会議でこの間の成果を報告すべく、学会への参加と報告を集中的に行った。国外調査や学会報告は、(1)6月モスクワにおけるRISA主催の「ヨーロッパの統合と分断」に関する国際会議でのコメント、(2)8月のEU拡大境界線:ウクライナ、スロヴァキア、ハンガリー、ルーマニアをめぐる調査、(3)9月EUとASEMとの共同会議、(4)11月国際政治学会でのEU代表部との共同報告、(5)12月ベルギーでの世界EU学会への参加、(6)さらに平成15年3月のギリシャでのEU・日本会議で報告を行った。
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