研究課題/領域番号 |
12620105
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 国際日本文化研究センター |
研究代表者 |
木村 汎 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (80001767)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ロシア / ウクライナ / 中国 / 日ロ / 国境 / 国境画定 / 領土紛争 / カリーニングラード / Northern Territories issue |
研究概要 |
現代世界においては、約160の国境・領土紛争がある(英ダーハム大学国際国境研究所)。各紛争は種々様々の原因によって発生し、状況も解決法(未解決の理由)も異なる。そのような相違点の故に安易な類推は禁物である。だが、その限界を弁えればある程度の比較は可能であるし、教訓も得られることがわかった。 ロシアウクライナ エリツィン前大統領は、1997年ウクライナにクリミア半島を割譲する決定を行い、ロシア議会も同決定を承認した。ロシアとクリミア半島との結びつきは、歴史、人口、軍事、心理のすべての側面で、ロシアと北方四島との結びつきとは比較しえないくらい密接である。では、なぜエリツィン政権はそのような大英断をなしたのか?ロシアの安全保障の観点から、その決断を下さねばならぬ「政策の緊迫性」(policy imperative)が存在する。つまり、そのような譲歩をしなければ、将来ウクライナがNATOに加盟し、ロシアが地政学的なバッファー・ゾーン(緩衝地帯)を喪うおそれがあると判断したからであった。 ロシアと中国 ゴルバチョフ、エリツィン両政権は、中国とのあいだでロシアの東部と西部で国境画定協定を結び、中国に多くの島嶋や領土を返還した。なぜか?ロシアは、今後の中国の台頭を懸念し、とくに中ロ国境地域における両国間の人口の伸びの差がロシアに不利に働くことを危惧したからである。ここでも「政策の緊迫性」が存在した。 カリーニングラード問題と北方領土問題 2004年までにポーランドやリトアニアのEU加盟が実現すれば、カリーニングラード地方はロシア本土から切り離された陸の孤島となる。そうなる前に、プーチン大統領は同地方に対するモスクワの政策形成に迫られよう。他方、日本との間の北方倭出紛争には、「政策の緊迫性」がない。もし「政策の緊迫性」が発生するときには、同紛争が急転直下解決へ働きだすとも予想される。
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