研究課題/領域番号 |
12630001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済理論
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡部 洋實 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10204017)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 経済学方法論 / 方法論争 / 歴史学派 / メンガー / 西南学派 / ディルタイ / ヴェーバー / 科学論 / 価値判断論争 / ウィーン学派 / マックス・ヴェーバー / 価値論 / 精密学派 / シュモラー / 認識論 |
研究概要 |
本研究の目的は、19世紀半〜20世紀初のドイツで展開された科学論と経済学方法論との関係が現代に対してもつ意義の探究にあった。 当時のドイツ経済学界で注目を集めたのは、いわゆる方法論争だが、同時期の哲学者は、人文社会科学が科学であることの根拠に関心を向けていた。 西南学派(ヴィンデルバンドやリッカート)は、科学は、普遍的知識を目指す法則定立的科学と、個性的事実に関する個性記述的科学に分けられ、価値関係においでなされる歴史的科学は後者に属し、その普遍性は普遍的価値の追求に基づくとした。ディルタイは、人文社会科学(精神科学)において我々は、人間の生を、自らのうちに追構成することで理解するとした。人間の生の共同性は客観性を獲得し、世界が一定の秩序の下にあることを明らかにする。ウェーバーは、リッカートの超越主義から価値の相対主義へと進んだ。彼の「理想型」は、我々が、価値理念から複雑な現実を思考の上で整除し、その本質と文化意義を認識するための手段である。それは、経験によって検証されないが、現実にありそうと判断される主観的概念構成である。歴史的科学は、自然科学と異なり、理想型を手段として事実を客観的に確定する経験科学であるとされた。 当時の議論が我々に語るのは、諸個人の活動は恒に変遷する特殊歴史的諸条件の下にあるという自明のことを考慮したときに、人間現象における普遍的一般理論化には限界のあること、人間の営みでもあるこの科学が何に価値を置いているのかを反省することの必要である。経済学は法則的知識の追究を重んじてきたが、それが自己目的化されてはならないことを語るものでもあった。 なお、本研究の成果は、学術雑誌または関連学会において公表する予定である。
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