研究課題/領域番号 |
12630017
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済理論
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研究機関 | 国学院大学 |
研究代表者 |
伊藤 誠 國學院大學, 経済学部, 教授 (10012121)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 貨幣 / 金融 / 資本主義経済 / 景気循環 / 金融不安定性 / 恐慌 / 中央銀行 / 金融理論史 / バブル / 信用制度 |
研究概要 |
本研究は、現代における貨幣・金融の組織性とその不安定性の理論と現実をめぐる考察の枠組みについて、日本におけるマルクス経済学の研究成果を活かしつつ、欧米マルクス学派との協力をえて、体系的に再整備する課題をたてて、平成12年度と平成13年度の2年間に実施された。この課題に沿って、ロンドン大学のC.Lapavitsas博士を事実上の共同研究者としてその全面的な協力を得るとともに、カリフォルニア大学G.Dymski教授、オックスフォード大学A.Glyn博士らの示唆や、平成12年7月のシドニー、マクオリー大学でのコンファレンス、同年9月と平成13年7月の各1週間のロンドン大学などでの交流の機会にも恵まれ、本研究はほぼ順調に進捗させることができた。本研究に直接・間接協力してもらえる国内の専門的研究者ほぼ16名との月1回程度の研究会も國學院大學において継続し、これも研究内容の充実に役立つところが大きかった。内容的には、本研究は、貨幣・金融の組織性とその不安定性問題をめぐり、18世紀以来の主要な学説の意義に広く再考察を加え、現代のケインズ学派やポスト・ケインズ学派の貢献と限界も大きな学説史的文脈のなかに位置づけて取り板うとともに、現代資本主義に特徴的な貨幣・金融組織の発展とその不安定な動態の論理にも、資本主義経済の歴史的発展の推移を背景に再考をすすめるものとなった。本研究は、その内容において、理論経済学、経済学史、現代資本主義論にわたり貢献するところがあったと思われる。研究成果の主要部分は、Lapavitsas博士との共著『貨幣・金融の政治経済学』(岩波書店)にとりまとめられ、2002年1月に上梓された。これに基づく最終報告書にはふくまれていない、本研究に密接に関連した副次的な研究成果も以下項目11に記すものなどにとりまとめることができた。全体として、本研究は当初の計画にそくして、助成を活かし、満足のゆく成果をあげたと考えている。
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