研究課題/領域番号 |
12630019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済理論
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
松本 昭夫 中央大学, 経済学部, 教授 (50149473)
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研究分担者 |
稲葉 敏夫 早稲田大学, 教育学部, 教授 (30120950)
横山 彰 中央大学, 総合政策学部, 教授 (60137792)
有賀 裕二 中央大学, 商学部, 教授 (40137857)
三澤 哲也 名古屋市立大学, 経済学部, 教授 (10190620)
厚見 博 中央大学, 総合政策学部, 教授
浅田 統一郎 中央大学, 経済学部, 教授 (20151029)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 環境 / 動学的最適化 / 再生可能資源 / 人口問題 / 非線形動学理論 / ゲーム論 / クールノーモデル / 地球温暖化 / 微分ゲーム / ゲーム理論 / コンピュータ・シミュレーション / 非線形動学 |
研究概要 |
*高次元の非線形動学システムの挙動については端緒がついたばかりであまり分析がなされていない。そこで二つの二次元非線形経済動学モデルを構築し、その動学的構造について理論的分析および数値シミュレーションによる分析を行った。 1.伝統的なクールノータイプの複占モデルは反応関数が線形のケースを分析対象としているので、産出にかんする変動は単調に定常点に収束する。しかし、需要関数に非線形要素が含まれる場合、あるいは費用関数が外部性を持つ場合、生産技術の漏出効果が認められる場合などは、複占企業の反応関数がともにロジスティックマップになり、そこから生み出される戦略的な産出行動は安定的なケールから、カオスを含む複雑な変動を繰り返す不安定なケースまで様々な様相を呈する。(1)非線形動学差分システムに関しては「解の存在定理」がなく、大局的な解の挙動はコンピュータを使った数値分析に頼らざるを得ないのが現状である。そこで、まず安定的なケースを取り上げ、解挙動に関しての理論分析を行った。具体的には解析解の存在を示し、任意の時点における解の定性的な性質を明らかにした。(2)次に不安定なケースを取り上げ、不規則変動を繰り返す解の挙動の経済学的な意味合いを、長期平均利潤と定常点においてえられる定常利潤を比較し、前者が後者を凌駕する可能性をまず理論的にし示し、ついで理論分析が不可能な場合にも、数値シミュレーションにより、同様の結果が求められることを示した。 2.地球温暖化問題を経済的な要因を組み込んだ形でモデル化を行い、人口変動を考慮した長期的な観点からの分析を行った。経済は農業部門と工業部門よりなる完全競争を想定し、工業部門の経済活動が地球温暖化を加速し、温度上昇は農業部門へ負の影響をおよぼし、一人当たり所得の減少は将来の人口を減少させるという相互依存関係のもとでの、地球の温暖化と人口変動の二次元の動学システムを考察した。従来の研究結果とは異なり、定常状態への収束は必ずしも単調ではないこと、また収束も発散もせずに持続的な変動を繰り返す可能性のあることを示した。
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